みやびです。昨日は普通の細胞とがん細胞がどう違うのかという点のみお話しして時間切れになってしまいましたが、今日からはその続きで、正常な細胞ががん化するメカニズムや、何がきっかけで細胞はがん化するのかについて解説していきます。まずは正常な細胞のお話から。
▼タバコとがん細胞シリーズ完結!
昨日の日記で、自分の細胞がダメージを受けることでがん化し、時に血液やリンパの流れに乗って全身に転移してしまう、といったお話をしました。
今日はもっと学術的で専門的な内容に踏み込んでいきます。わざわざ難しい話をする理由は、がん化の仕組みが理解できていることで、それを恐怖と感じて禁煙するきっかけになってくれる人が少しでもいるかもしれないからです。
研究内容ドンピシャなのでそこらへんの人よりは詳しい自負はありますが、いかんせん日本語能力に乏しいので、あまりうまく伝えられないかも(笑)それではさっそく見ていきましょう。
最近では知っている人も多くなってきましたが、私たちの細胞には老化という概念があり、寿命(細胞死)があります。
私たちの体はおよそ60兆個の細胞で構成されていますが、その全てが同じDNAを持っています。細胞はバンバン分裂するというイメージを持っているかと思いますが、必要がない場合には分裂はしません。
受精後の発生段階はもちろんのこと、新陳代謝や傷の修復など、新しい細胞が必要な場合にはDNAをコピーし、新しい2つの細胞へと分裂をします。
ここで重要なのが、実は全く同じコピーが作られるのではなく、元のDNAよりも両端がほんの少しだけ短くなります。このDNAの両端のことをテロメアといいますが、こちら、私が大学院で研究していたテーマです(笑)
このテロメアは、細胞が分裂したらDNAが短くなることを前提に作られている、意味のない余白部分です。だいたい60回の細胞分裂に耐えられるくらいの長さがあります。
そして余白が無くなるまで細胞分裂を繰り返すと、細胞はそこで分裂回数の限界を迎えます。一般的にはこれが細胞の寿命と呼ばれていますが、厳密には死にません。
細胞が分裂回数の限界に達する(=テロメアが無くなる)と、「細胞老化」という状態になります。これは体が衰えるという意味とはまた違い、これ以上分裂はできないだけで、むしろ代謝なども元気な状態です。
ただ、実際に人間の寿命の中でテロメアを使い切るほど細胞分裂することはありません。それほど余裕を持たせて設計されているのです。
また、すべての新陳代謝に言えることではありませんが、細胞が入れ替わる場合には、古い細胞は自殺(アポトーシス)し、新しい細胞に置き換わっていきます。種類にもよりますが、血液の細胞なんかはそのサイクルがとても早いです。
フライングですが、分裂サイクルが早いということは、がん化したときに厄介(悪性度が高い)ということでもあります。
上述したように、細胞は必要なときに分裂し、不必要なときは分裂しない、という判断を行っています。
これを車で言い換えるならば、青信号になったらアクセルを踏み、赤信号になったらブレーキを踏む、といった仕組みと同じです。
また、細胞はDNAが傷ついたら自己修復もしますし、重度の異常を感知した場合には自殺(アポトーシス)することもできます。
ここまでで書いてきた、
という、本来ならば細胞や固体の恒常性を保つために大切な機能が、喫煙や紫外線などのあらゆる細胞ストレスによってバランスが崩れ、細胞のがん化を引き起こしていくのです。
とっても楽しくなってきたところで、明日に続きます(笑)
▼タバコとがん細胞シリーズ完結!
← みんな知恵が集まっています。
いろんな人の禁煙日記を読み、禁煙開始に向けて準備することが最も近道です。
※1本平均5分、1箱420円、1本で寿命-12分(男性)