2018年ロシアW杯の開幕が刻々と近づいてきて各国のメンバー争いも熾烈になって来ているこの時期に、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)はW杯が終わった3ヶ月後にUEFA Nations League(ネーションズリーグ)たる新大会を行うことを正式に発表した。
なにやらナショナルチーム(各国代表)がリーグ戦を行い、昇格したり降格したりする大会らしい。
今まではクラブチームにしかなかった降格とか昇格とかいう概念をナショナルチームにも適用した考えが面白い。
注目の新大会UEFA Nations League(ネーションズリーグ)とは何か、ネーションズリーグのシステム、ネーションズリーグ開催による日本代表への影響を少し書いていこうと思う。
UEFA Nations League(ネーションズリーグ)は、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)が主催となり偶数年9月〜6月にかけて行われる代表チームによる国際大会のこと。
2018年がネーションズリーグの第1回大会として開催される新しい大会である。
UEFAに加盟する55カ国をUEFAランキングに応じて4つのリーグに分け、そのリーグの中で更にグループ分け(3〜4カ国)をする。
そしてそのグループ内でホーム&アウェーの総当たり戦を行い、各グループの首位は上位リーグに昇格、各グループ最下位は下位リーグに降格するという仕組みだ。
そして、最上位リーグの各グループ首位国は、6月に準決勝と決勝、及び3位決定戦を行いチャンピオンを決める。
もちろん決勝で勝てば初代王者となる。
その他、各リーグのグループ1位はEURO(欧州選手権)のプレーオフ(16カ国)の権利を得ることが出来る。
ただ、すでにEURO出場を決めている国が1位の場合は2位のチームが繰り上がりでプレーオフの権利を得ることができる。
EUROプレーオフは抽選会で4グループ(各4チーム)に分けられ各グループ1位がEURO本大会に出場を決めることができる仕組みだ。(UEFA公式サイトに載っている説明動画はこちら)
国際Aマッチデーとして世界で行われる親善試合の期間を欧州はネーションズリーグを開催することにより、より緊張感を持った試合が行われることが予想される。
UEFA主催のUEFA Nations League(ネーションズリーグ)の組み合わせ抽選会が1月24日にスイスにて行われた。
前回W杯王者のドイツはフランスとオランダ、前回のEURO(欧州選手権)王者であるポルトガルはイタリアとポーランドと同グループになった。
各リーグとグループの内訳は以下の通り。
グループ1:ドイツ、フランス、オランダ
グループ2:ベルギー、スイス、アイスランド
グループ3:ポルトガル、イタリア、ポーランド
グループ4:スペイン、イングランド、クロアチア
グループ1:スロバキア、ウクライナ、チェコ
グループ2:ロシア、スウェーデン、トルコ
グループ3:オーストリア、ボスニアヘルツェゴビナ、北アイルランド
グループ4:ウェールズ、アイルランド、デンマーク
グループ1:スコットランド、アルバニア、イスラエル
グループ2:ハンガリー、ギリシャ、フィンランド、エストニア
グループ3:スロベニア、ノルウェー、ブルガリア、キプロス
グループ4:ルーマニア、セルビア、モンテネグロ、リトアニア
グループ1:ジョージア、ラトビア、カザフスタン、アンドラ
グループ2:ベラルーシ、ルクセンブルク、モルドバ、サンマリノ
グループ3:アゼルバイジャン、フェロー諸島、マルタ、コソボ
グループ4:マケドニア、アルメニア、リヒテンシュタイン、ジブラルタル
マッチデー1:2018年9月6〜8日
マッチデー2:2018年9月9〜11日
マッチデー3:2018年10月11〜13日
マッチデー4:2018年10月14〜16日
マッチデー5:2018年11月15日〜17日
マッチデー6:2018年11月18日〜20日
ファイナル抽選日:2018年12月上旬
ファイナル:2019年6月5〜9日
UEFA EURO 2020プレーオフ抽選会:2019年11月22日
UEFA EURO 2020プレーオフ:2020年3月26日〜31日
現在(2018年1月26日現在)UEFAネーションズリーグがテレビ局で放送されるかは明らかにはなっていないが、DAZNやUEFA Champions League(チャンピオンズリーグ)を放映しているスカパーなどが名乗りをあげる可能性が高いと思う。
注目の新大会UEFA Nations League(ネーションズリーグ)をどのテレビ局が放送するのかは分かり次第アップデートしようと思う。
UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)加盟国は本当にサッカーレベルの強化に熱心だと思う。
ヨーロッパでは国際大会だけで言うと、W杯が終わればすぐにEURO(欧州選手権)の予選が始まり、EURO本大会が終われば今度はすぐにW杯予選が行われる。
これだけの過密日程の中で、更にネーションズリーグを行う訳で。
確かにネーションズリーグはこれまでの親善試合の日程(国際Aマッチウィーク)で行っていく訳だが親善試合とは違って選手の気持ちの入り方も選手選考の仕方もだいぶ変わってくるだろう。
UEFA加盟国にとってはお互いに高いレベルで切磋琢磨しながら、公式戦という高いモチベーションでチーム力を強化する良い機会でもある。
ここからは、日本人として日本代表に絞って話をしていくが、これまで国際Aマッチデーで親善試合(キリンチャレンジカップなど)を行う際は、ヨーロッパの強豪国(オランダやベルギーなど)と対戦する機会があった。
UEFA Nations League(ネーションズリーグ)はサッカーファンにとってはまた楽しみな大会が1つ増えることになった訳だが、新大会が欧州で開催されることにより弊害もある。
それは日本代表が欧州の強豪国と対戦する機会が減るということ。
もちろん、UEFA加盟55カ国が参加するネーションズリーグは毎節1チームが余るので対戦できるチャンスがゼロな訳ではない。
ただ、確実に機会は減ると見られる。
しかも対戦機会が減ることだけが問題なのではなく、仮にヨーロッパの国と親善試合を組めたとしても日本代表にとって強化になるかどうかが問題だと僕は思う。
というのも、親善試合のモチベーションではチーム強化に繋がらないからUEFAネーションズリーグという新しい公式戦を始めたのに、ただの親善試合に、しかも格下相手に高いモチベーションで来るとはなんとも思えない、と思ったから。
UEFA同様AFC(アジアサッカー連盟)もアジア全体の底上げをするために何か動くべきだと思う。
新しい強化大会等がない限り、国際Aマッチデーをどう活かすかは日本サッカー協会の腕の見せ所となってくるだろう。