ナイキファンの人たちなら大半が知っているであろうマーキュリアルシリーズのサッカースパイク。
マーキュリアルの誕生から2018年で20年の月日が経ちました。
初代の発売から現在まで変わらぬ人気を誇るマーキュリアルは今まで17作がリリースされてきました。
発売される度にサッカーファンを驚かせてきたNIKEマーキュリアルの歴代シリーズを振り返ってみようと思います。
1998年に誕生した「マーキュリアル」はスピードをコンセプトとしたサッカースパイクです。
今でもスピードを武器とするプレーヤーは好んでマーキュリアルシリーズを着用しているほど。
少し歴史を紐解くと、ナイキは1996年にブラジル代表チームとパートナーシップを締結しました。
その当時に若くして得点を量産していたのがブラジル代表の怪物ロナウドでした。
ロナウドの武器は圧倒的なスピードとテクニック。
相手を置き去りにするスピードと一瞬の加速で淡々と得点を量産していた怪物ロナウドのプレースタイルに合うスパイク作りをスタートさせました。
スピードを上げるために、まず足元の軽量化を図り、カンガルーレザーに見切りを付け薄くて軽い合成皮革を採用。
プレートは業界標準の3mmから1.75mmまで薄くしたそうです。
このように大胆かつ革新的な進化をし続けるマーキュリアルは、リリースされる度にフットボリスタのニーズを満たして20年間ずっと愛され続けているというわけです。
History of MERCURIAL
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誕生から20年経った今でもサッカーファンに愛されているマーキュリアル。
その20年の歴史を簡単に解説と共に振り返っていきます。
ナイキがロナウドのプレースタイルに合うスピードのために作られた初代のスパイク「マーキュリアル」。
ロナウドといえばこのブルーとイエローの配色だよね!ってサッカー仲間と語りたくなるような懐かしさを感じるデザインですね。
当時はこのブルーとイエローのデザインが強烈な印象を残しました。
アッパーの皮革をカンガルー皮から合成皮革に変更し、プレートも1.75mmまで薄くするなど全面的な軽量化を図りました。
また、レース用バイクをヒントにした粘着質のコーティングによりボールコントロールを高めることに成功。
今までスパイクのアッパーと言えば天然皮革、プレートは標準3mmとなっていたような常識を覆した、サッカースパイクの新しいスタイルを確立するベースとなったスパイクです。
最近では、現ブラジル代表の10番ネイマールが復刻デザインを履いたことでも話題になりました。
初代マーキュリアルが開発された2年後に2代目となるマッチマーキュリアルがリリースされました。
速さの進化をテーマに作られたマッチマーキュリアルは、オリジナルよりもっと軽いスパイクを作ることに重点をおきました。
その結果、ぴったり230gという驚異的な軽量化に成功。
オリジナルで満足せずに軽量化に取り組んだナイキの挑戦の結果とも言えますね。
軽いスパイク時代の先駆けにもなりました。
第3代モデルのコンセプトはトラックからピッチへ。
2002年日韓W杯でブラジル代表が優勝をした際、怪物ロナウドが履いていたスパイクがこのマーキュリアルヴェイパーでしたね。
このスパイクは、スピードがある選手が地面と完璧に接地する感覚を提供することに重きを置いて作られたそうです。
足の骨格に合わせて作られた新しい足型が、スパイクに自然と馴染んだので選手の足の形に近づくことに成功。
快適さを高め、さらに軽量化を計ったそうです。
いや〜しかし、この時のロナウドは本当に衝撃的なスピードと決定力でした。
僕はこの時のロナウドを見てサッカーを始めたようなものですから。。
そしてマーキュリアルヴェイパーの2年後にマーキュリアルヴェイパーⅡがリリースされました。
コンセプトは、新星誕生。
マーキュリアルヴェイパーの2代目であるこのスパイクは、完璧な接地感と快適さをさらに高めることが求められました。
その為に、かかと部分のタブを大きくして足首周りのクッション性を高めました。
つまり、軽量でクッション性のあるスパイク。
またこの時代に頭角を現し始めていた、若きクリスティアーノ・ロナウドもこのスパイクを着用していたので、怪物ロナウドとクリロナにより伝統が受け継がれました。
ナイキのサイトの言葉を借りると、伝説がバトンタッチされた証でもある。
僕個人的には、このスパイクが欲しくて欲しくてたまらなかったのを覚えていますが中々手が出なかったんですよね。
なんかビビってました、ミーハーって言われるのを。
そしてその2年後にはマーキュリアルヴェイパーⅢがリリースされました。
コンセプトは抜群のフィット感。
このスパイクで最も重要視されたのは、試合中にずっと快適に履けるフィット感を大事にしながら、足とスパイクの距離を縮める(素足のような感覚を追求する)こと。
アッパーには新しくマイクロファイバー(記憶形状)を採用し、足の形状にフィットするようになりました。
元フランス代表のティエリ・アンリなども着用していたスパイクです。
そしてついに、僕もこの代からマーキュリアルヴェイパーを履き始めました(笑)
軽さにはびっくりしましたが、何よりツルツルのスパイクが初めてだったっていう事もあって最初は戸惑いを隠せなかったのを覚えています。
なんだかんだで今も人気が高いシリーズです。
この時代くらいからナイキのCMばっかり見ていました(笑)
ナイキCEOに元フットウェアデザイナーのマークパーカーが就任した2年後にマーキュリアルヴェイパーSLが登場。
SLとは”super light“のイニシャルを取ったもので「すごく軽い」という意味。
文字通り、スパイクはたったの185gしかありません。
カーボンファイバーのみで作られた当時最軽量のスパイクで、マーキュリアルの「軽さ」と「スピード」という大きなコンセプトを一気に加速しています。
アッパーはイタリア製、プレートはドイツ製、アウトソールは韓国製を組み合わせてできたスパイクだそうで、グローバルスポーツのサッカーにふさわしい一足です。
僕はSLというスパイクがあった事を最近になって知りました(笑)
同じ年にリリースされたのが、マーキュリアルヴェイパーⅣ。
コンセプトは大胆な動き。
このスパイクを作成する際に課題となったのは、広いシュート面を確保した流線型の短距離スパイクのスタイルを提供する事。
帝人®のアッパーでシューレース部分が覆われているのが特徴的なスパイクです。
グラスファイバー製のシャシーが陸上スパイクのような瞬時の加速を可能にしたそうです。
個人的なイメージではありますが、このマーキュリアルヴェイパーは今までのデザインより幅が広めに作られていたように感じます。
カラーも赤やオレンジなどの明るい色が多く、クリロナやイブラヒモヴィッチ、パトやドログバなども着用していました。
マーキュリアルヴェイパーシリーズに新しい単語が出てきたのが、マーキュリアルヴェイパースーパーフライ。
コンセプトは完璧なフィット感で当時最軽量・最速のスパイク(180g)です。
このスパイクを簡単に言うなれば、アスリートの要求を全部叶えたらこうなりました的なスパイク。
超薄い帝人®製スキンとフライワイヤーテクノロジーが搭載されているのが特徴です。
アッパーとソールバランスが良く、選手が素早く反応や加速できる様なスパイクになりました。
クリロナ、ドログバ、イブラヒモビッチなどが着用していました。
僕はこのスパイクを着用していましたが、フライワイヤーのホールド力にはびっくりしました。
履き口部分のぐらつきが無くなるので、一瞬の加速にも本当にブレが無くなるのが分かりました。
マーキュリアルのスーパーフライシリーズの第2代がマーキュリアルヴェイパースーパーフライⅡ。
コンセプトは猫のような反射神経。
チーターからインスピレーションを受け、トラクションによるスピードを追求したスパイク。
クリスティアーノ・ロナウドの意見も取り入れてNIKE SENSE(ナイキセンス)という名の革新的なスタッドを取り入れました。
地面に対してミリ単位で対応するスタッドで、あらゆる方向に素早く動くスピードと安定感を生み出してくれるスパイクです。
その翌年には、スーパーフライシリーズの第3弾となるマーキュリアルヴェイパースーパーフライⅢがリリースされました。
コンセプトは、揺るぎない足元。
このスパイクは小さなつまづきやスリップを失くすことにフォーカスするために、つま先のトラクションを改良しスリップのリスクを減らしました。
また、三又のブレードが方向転換のスピードを最大限まで高めました。
個人的には、スーパーフライⅢとⅡはデザイン的な部分では差がないと思いましたが、履いてみるとグリップ力が全然違うように感じました。
やはり、配置されているブレード型のスタッドが最初の1歩の踏み出しをスムーズにしてくれている感覚はありましたね。
そして、第8作目のマーキュリアルヴェイパーⅧが登場します。
このスパイクのコンセプトは、素足のような履き心地。
なんか急にどうしたんだって思うようなコンセプトですが、根本的な素足感覚という概念はそのままに、ボールに向かう時の加速と高速移動時のボールタッチを基本性能として取り入れたスパイク。
屈曲性に優れたファイバーグラスのアウトソールを新しく採用することで、地面への踏み込みや踏み出しを素早くし、中央部のスタッドは加速を高めるためのデザインに改良。
また、快適にスパイクを履くために、かかとに柔らかい素材を使い不快感を最低限に抑えることにも成功。
僕はこのスパイクを履いていましたが、1番気に入ったのはアッパー。
帝人®のマイクロファイバーを使ったアッパーの仕上がりが何か気持ちよく、本当に素足に近いような感覚でした。
ただ個人的にはカラーウェイがあんまり好きじゃなかったのであんまり長く履かなかったかな。
9代目のマーキュリアルシリーズであるマーキュリアルヴェイパーⅨ。
コンセプトは究極のボールコントロール。
このスパイクの特徴はAll Conditions Control(ACC)、つまりどんなに悪天候のコンディションでもボールの感触が変わらないテクノロジー。
そして、ゴルフボールのような手触りを生むテクスチャード加工されたスピードコントロールテクノロジー。
この2つが、ボールに対するタッチ感としっかりとした摩擦を生むので、どんな条件でも最高のボールコントロールができるように作られたスパイクです。
クリロナの限定モデルでキラキラの銀河スパイクが販売されて話題になりましたよね。
9代目の翌年に登場したのが、マーキュリアルスーパーフライⅣ。
コンセプトは、ダイナミックフィット。
見た目からも分かるように、このスーパーフライⅣは新しいことだらけ。
最近のフットウェアのトレンドできっかけになったと言っても過言ではないモデルです。
マーキュリアルでは初めてとなるフライニットとダイナミックフィットの履き口を採用しました。
クリロナが履き始めたのが本当にクールでしたよね。
まるでソックスのように足とスパイクが連動することに本当に感動しました。
しかし、やっぱスパイクって高いなって思い始めました(笑)
そして2年後には、マーキュリアルスーパーフライⅤが登場。
コンセプトはハードルを上げる。
もう僕はここまできたら見た目だけでは、何が変わったかわからない(笑)
しかし、このスパイクには4つの「初」でさらにレベルを上げているらしい。
その1つがスピードリブ。素材の表面に盛り上がりt¥をつけることでボールとアッパーの間に摩擦を起こすもの。
そして新しく開発した3Dスピードプレートは今までのカーボンファイバープレートよりも40%も軽量することに成功し、最適なトラクションパターンも採用しました。
内側に施されたナイキグリップにより靴擦れが起こる心配もない。
また前モデルにもあったフライニットとダイナミックフィットの履き口も採用。
まさに、フィット感とスピードを発揮することだけに特化したスパイクになっています。
そして、こんなカスタマイズも。
すごい。。
そして、先月の2月15日に新たなマーキュリアルが登場しました。
その名もマーキュリアルスーパーフライⅥ。コンセプトは牙を剥けです。
新しいスパイクがどんどん出ていたような感覚でしたが、意外と2年ぶりなんですよね。
誕生から20年経った今回の新作も「速さ」と「快適さ」を追求。
シューズの中で足が滑るとスピードが落ちてしまう事に注目し、改良した新しいソックライナーを採用。
また、今までよりも少し短い履き口が快適にサポートしてくれます。
All Conditions Control (ACC)を外側ではなくフライニット内に組み込んだ事で余計なスキン1枚を排除しました。
その他にも、スタッズの間に入れるソールプレートを排除したので、シューズと足が一体したかのような感覚で履くことができます。
そしてこのスーパーフライの足首部分がないスパイクが、マーキュリアルヴェイパーⅫとなりました。
主な違いは、履き口の部分のみ。
その他の性能は、全く一緒です。
これは、足首まであるのが嫌だという人が意外と多かったりするからだと思います。
ネイマールとかは、足首までのスパイクを嫌うタイプだったりしますしね!
これからもサッカーファンから愛されるであろうNIKEマーキュリアル。
今後も我々を驚かせてくれるような革新的なスパイク界をリードしてくれるような存在であって欲しいものですね。