たまにはまじめに考えてみようとブログを書き始めた半田(@handa_plan)です。企業、組織の運営管理においていつも比較される代表的な形態と言えば、「トップダウン」と「ボトムアップ」。そんな二つの組織運営の方法論についてどちらを採用するべきか、これに対する答えを出すための比較をしていきます。
トップダウン方式の組織運営とは、企業におけるトップが意思決定を行い、それを下に向けて指示することで運営を行う方式のことを言います。「上意下達」などという言い方がされます。
つまり社長や会長などの経営権を握る人間や、それらを含めた経営陣によって決められたことを従業員に命令し、それに従わせるタイプの経営となります。
トップダウン型のメリットは、企業が目指すものや組織の信頼関係によっては非常に大きな武器となるといえます。
まずトップダウンの大きなメリットの一つとなるのがスピードです。これは刻々と変化するビジネスの世界において変化に対応する上でも非常に重要なポイントの一つです。
余計な時間を使い、丁寧に現場全体の意見をまとめていては、ライバルに差をつけられてしまうかもしれません。それが致命傷になってしまうことがないとは言い切れないでしょう。
トップダウンでは経営陣の意思決定が現場へと即通達され、それが実行に移されます。これによってスピード感のある経営が可能となります。
トップダウン型の組織において重要となるのが、経営陣と現場との信頼関係です。この信頼関係が真に築かれてさえいれば、トップダウン型経営は組織の一体感という大きなメリットを生み出します。
方向転換を決めた時も、現場との信頼関係が十分に築かれていれば、会社の方向性を急激に転換することも可能な経営方式と言えるでしょう。
潮流の速い現代のビジネスにおいては非常に重要な要素ではないでしょうか。いつまでも古い考えや昔上手くいっていたことに固執するあまりに危機的な状況となった企業は少なくありません。
トップダウンは素早いスピード感と一体感を生み出す可能性があるものの、当然ながら上手くいかなかった場合のデメリットもあります。
まず陥りやすいのがこちらです。トップダウンである以上は経営陣の指示が絶対的なものとなりますが、指示がない、もしくは遅ければ組織は止まってしまいます。
これが結果として業績を落とし、社員のモチベーションを低下させることにつながるでしょう。社員に高い意識を持たせるために、組織全体を常に力強く引っ張っていく強力なリーダーが必要となります。
トップダウンは経営陣からの指示によって組織を動かすため、現場での声が経営陣に届きにくくなるという面があり、これが時としてデメリットとなります。
現場でしか分からないような問題点が表面化したとしても、経営陣がそれを理解できず現場は圧迫感を感じたり不満を大きくしてしまうこともあるでしょう。
トップダウンの強みであるスピード感や組織の一体感を最大限に発揮するためには、経営陣と現場の密なコミュニケーションが重要なカギとなるでしょう。
トップダウン型の好例としてあげることができるのが、ソフトバンクやユニクロ、フェイスブックやアップルといった企業です。
こうした企業には絶対的な経営者が存在し、その人物の強烈なリーダーシップによって非常にスピーディーな成長を遂げています。
これを読んでいる人であればまず知らない人はいないでしょう。一代でソフトバンクをここまでに成長させた孫正義社長はまさしくトップダウンのメリットを最大限に発揮させた方と言って間違いないのではないでしょうか。
絶対的なビジョンや強い意志は多くの社員の心をつかみ、道筋を明確にすることでモチベーションを常に高く保ちます。まさにトップダウン型経営の大成功例ですね。
こちらも知らない人はいませんね。アップルの創業者であり現在アップルの主力商品であるiphoneをはじめとする様々な大ヒット商品を生み出しました。
書籍や映画でも描かれている通り、最良の商品を生み出すためには部下を叱責し、エレベーターで乗り合わせた従業員をその場でクビにするという逸話も残っています。
あまりにも強烈なそのキャラクターとカリスマ性は、世界中にも多くのファンを持つ彼は、まさしくトップダウン経営の代表的な存在と言えます。
経営陣による「鶴の一声」で企業の方向性が決まるトップダウン型の経営とは対極の位置に存在するのが、この「ボトムアップ」と呼ばれるタイプの組織運営です。
裁量を持つのは経営陣というよりも現場です。現場のアイディアや意見を経営陣が吸い上げ、まとめることによって組織の運営を行います。
ボトムアップにおける大きなメリットといえば、現場にしか分からないことを現場が決める、もしくは経営陣にしっかりと伝える体制があるという点でしょう。
組織が大きい場合には特にそうですが、経営者は現場が日々の業務ではありませんし、それが仕事とは言えない場合がほとんどでしょう。
そんな経営者は現場の些細な変化を肌で感じることが出来ず、経営判断を誤ってしまうこともないとは言い切れないでしょう。
そうならないために現場に大きな裁量権を持たせることによって、より柔軟で細やかな対応を可能にする。それがボトムアップの大きなメリットの一つです。
経営陣がすべてを決めるトップダウンというのは、一見するとスピード感があり急成長していくイメージが強いかもしれません。
しかし従業員からみれば、自分の考えがあまりにも反映されずただ降りてくる指示を待ってそれに従うだけと感じる場面が決して少なくないでしょう。
こうなるとモチベーションを高く保つことは難しくなります。給与などの待遇面で評価をすることになり、結果としてコストも高くなりがちです。
しかしボトムアップでは現場が大きな裁量を持つことになります。どうすればより良いものになるのか、より良い結果が生まれるかを現場が考えます。
社員にとって特別な結果を生み出せるチャンスがあることが分かりやすく、現場での仕事に対するモチベーションを維持しやすいと言えるでしょう。
ボトムアップは現場の社員を大切にしたすばらしいシステムのように感じる方もいるかもしれませんが、実はここには大きなデメリットが隠されているということが言えます。
現場での裁量が強くなるボトムアップでは、当然ながら現場にいる人間の高い意識と能力が求められます。
現場を任せることが出来る人材がすでにいることが非常に重要な条件となることから、どんな企業でも採用することができる組織運営ではありません。
トップダウンの会社がボトムアップに移行して失敗するのはこのケースがほとんどであり、人材育成や採用が重要な要素となります。
ボトムアップ経営は、現場からの意見を集約し精査することによって経営方針を決めることになるため、その情報量が多くなるほど意思決定は遅くなります。
現場での意見が非常に広範囲に広がる場合においてはそれをまとめるだけでも大きなコストや時間がかかるため組織のスピード感は失われます。
そればかりか現場での意見がうまくまとまらなければ、組織としての方向性や統一感もバラバラになってしまうリスクがあることにもなりますね。
ここまでトップダウンとボトムアップにおける特徴について確認してみましたが、じゃあ実際にはどっちの方がいいの?というお話。
結局のところ、その企業に合ったやり方を採用すべきというのが答えなんでしょうかね。というよりも場面によって変えるというハイブリットなやり方が理想かと。
一般的にはフランチャイズとか工場のラインなどはトップダウン型の方が向いていて、現場で個人の裁量が大きく求められる業種はボトムアップの方がいいと言われてます。
また、星野リゾートのようにトップダウンともボトムアップとも違う経営をしている会社もあります。結局はトップが決める部分は明確にし、現場の意見も取り入れる柔軟性があればいいんでしょうが簡単ではないんでしょうね。
じゃあぼくたち株式会社PLANはどっちにしようかという話。
ぶっちゃけ僕を入れてたった4人の会社ですから、トップダウンもボトムアップもないかなというのが正直なところです。
たとえ人数が少なくとも、絶対的なリーダーがいて、トップダウンの形式を取っているところももちろんありますが、僕は少なくともそういうタイプとはちょっと違う気がします。
たしかにトップダウンな時もあるし、わがまま言わせてもらうこともあるけど、結局みんなとても優秀なので、のびのびとその力を発揮できればいいかなと。
これから人が増えていった時にはしっかりとした組織運営についても考えていかなきゃと現実逃避しつつ、やりたいことがある人の応援ができればいいのかな、なんて思ってます。
とりあえず、やりたいことをやりたい時にやりたい人とやりたいだけやる。そして夢を持つ人をとことん応援する。これを実現するためにやっていきます。