株式会社PLANを代表する低学歴こと谷口勇太です。今までの人生で、まともな会社員なんてしたことがないため、敬語とかも正しく使えません。
でも株式会社PLANではそれなりに偉い役職なため、お客さん的な人と話したりメールでやりとりしたりすることも増えていき、BCCをつけてたメールで怒られました。
「お前、御社と貴社、弊社と当社の使い分け知らへんやろ?」と関西弁で。なんとなく、御社と弊社が丁寧語で、貴社と当社が普通語だと思ってましたけど、違うんですね。
と言う訳で、今回は僕が大失敗した御社と貴社、弊社と当社の違いや使い分け、例文についてご紹介しますので、履歴書や面接で失敗しないように覚えておきましょうね!
まずはシンプルにご紹介しましょう。
相手の会社のことを敬って呼ぶ場合に使用する御社と貴社の使い方はこんな感じです。
そして、自分の会社を指す言葉に弊社と当社がありますが、どちらも意味は同じで弊社の方がへりくだった印象を与えるため、使い分けとしてはこんな感じです。
さて、ここからは、これらの言葉の違いや使い分けについて、もっと詳しく掘り下げてご紹介します。
さて、先ほども申し上げましたが、御社と貴社の違いは以下の通りです。
そもそもこの「御社」と「貴社」と言う言葉は、相手の会社に対する敬意を表すために使用され、尊敬の気持ちを持って表現することから「尊称(そんしょう)」と言います。
人を敬う気持ちとして「様」や「先生」といった接尾辞(せつびじ)をつけると思いますが、これらは敬称と呼び、接尾辞の形式を取らずに相手を敬う呼称を尊称と呼ぶので、覚えておいて損はありません。
さて、なぜこの「御社」と「貴社」と言う形で2つの尊称が存在し口語と文語で使い分けられているのかと言うと、「貴社(きしゃ)」と言う言葉が「帰社・記者・汽車・棄捨」などの同音異義語が多く話し言葉に適していないからです。
そのため、面接や電話といった会話で使用する場合は話し言葉として優れる「御社」を使用し、履歴書やメールといった文章で使用する場合は書き言葉である「貴社」が使用できると言う使い分けがされています。
しかしながら、この「御社」と「貴社」ですが、どちらも尊称であるため、御社を文章で使用したり貴社を会話で使用したりしても間違いではありませんし、失礼と言う事は一切ありません。
ただし、文章内や会話の中で「御社」と「貴社」をごちゃ混ぜに使用する事は避けましょう。これを文章の場合「表記ゆれ」と言いますが、混在させるのはどうしても拙く思えますので、あなた自身の評価を下げる可能性があります。
敬語に慣れていないと、ついつい「丁寧に!丁寧に!」というプレッシャーから、敬語に敬語を重ねてしまう二重敬語になってしまいがちですが、この敬語表現を重ねすぎるとかえって失礼だと思われることも少なくありませんので、注意したいところです。
「御社」も「貴社」も尊称と呼ばれる敬語ですから、そこにさらに「様」などの敬称を重ねてしまうのは二重敬語に当たります。
「御社様」も字面を見ると「オヤシロサマ」と読めてしまいますから、そのあたりの不自然さを理解していただければ、このような二重敬語は回避できるかと思いますので、覚えておきましょう。
尊称は、企業のみならず、様々な団体や協会といった組織に対しても使用され、最近では組織によって「御社」や「貴社」といった尊称以外を使用する場合もありますので、失敗しないように覚えておきましょう。
一般企業以外の尊称例はこちら。
上記以外の組織の場合でも、基本的に話し言葉の場合は「御」を付け、書き言葉の場合は「貴」をつければ概ね問題ないと覚えておきましょう。
さてお次は、自分の会社のことを示す弊社と当社の違いですが、これは「弊社」の方がへりくだった印象の言い方であると覚えておきましょう。
一般的なビジネスシーンでは以下のような使い分けがされています。
基本的に「へりくだる必要がない場合は”当社”」と覚えておけば間違いありません。社内の同僚と会議している時や、自分が客側である場合の会議などではへりくだる必要がないので「当社」で大丈夫です。
反対に、取引先や商談の相手にはへりくだって「弊社」と言う言葉を使うのが正解です
ただ、社外の人間に対して、強気な提案であったり、交渉で強く出なければいけない時、抗議の時などは「当社」や「わが社」と言う表現を使うこともありますので、覚えておいて損はありません。
この「弊社」ですが、人によっては「弊社は書き言葉(文語)だから電話や商談で使わない方が良い」としてる場合がありますが、文語として登録されている訳ではない様子。どうやらこれは勘違いが浸透してしまった結果のようですから注意しましょう。
さて、学生から社会人になる場合の面接や履歴書で「自分の会社を示す言葉」は使用しないと思いますが、転職する場合の面接や履歴書では「自分の会社を示す」必要があります。
そういった応募先や面接先の企業は、取引先や商談の相手ではないため、弊社という言葉を使ってへりくだる必要はありませんし、当社という言葉も「現在務める会社の一員あるいは代表として自身の会社を示す言葉」になってしまいますから適切とは言えません。
転職の面接は、会社の代表として受けに行っているのではなく、個人として受けているものですから、現在務める会社を説明する場合は「現職」、すでに退職している場合は「前職」を使用するのが適切です。
そもそも御社(おんしゃ)という言葉に使われる「御」の文字は「御恩と奉公」(武士の主従関係を構成した概念)という用例からもわかる通り、日本に古来からある日本語的な敬語表現です。
また、貴社(きしゃ)という言葉に使われる「貴」の文字は、「貴台(きだい)」や「貴邦(きほう)」のように、漢文で記された文章の中に広くみられる敬語的表現であり、これらに使い分けを強制するような根拠は存在しません。
ただ、貴社が漢字の基本ルールである音読熟語なのに対し、御社が変則的な訓読みと音読みを混ぜた「発音ありき」の言葉である点から、文章で記述する場合は貴社を用いるのが一般的(気にする人は気にする)とされています。
と言う訳で、ここからは、例文を交えながら「御社」と「貴社」の使い分けや使用例をご紹介していきますので、実際の言葉として使用感を理解したい場合は参考にしてください。
書類に文章を描く場合は「貴社」を使用します。
面接で直接会話する場合は「御社」を使います。様をつけないように注意しましょう。
社外へのメールや手紙は「貴社・弊社」を使います。社内でのメールのやり取りは「当社」を使用します。
社外向け
社内向け
社外の人と直接会話する場合は「御社・弊社」を使います。様をつけないように注意しましょう。
今回は、相手の会社を示す「御社(おんしゃ)」と「貴社(きしゃ)」という尊敬語に属す2つの尊称と、自分の会社を示す「弊社(へいしゃ)」という謙譲語と「当社(とうしゃ)」という丁寧語を主軸に解説してきました。
ところで、この「丁寧語・尊敬語・謙譲語」の3種類の違いは理解していますか?日本語における敬語表現の基本ですから、主な使い方だけでも理解しておけば、ビジネスマナーの向上に大きく役立つと思います。
ビジネスシーンで頻繁に使用する言葉を、3つの形態の敬語表現に分けて表にしましたので、相手を立てたい時、自分を下げたい時、普段使用する丁寧語をどのように変化させるべきなのかを覚えて、是非活用してください。
基本形 | 丁寧語 | 尊敬語 | 謙譲語 |
する | します | なさる される |
いたす させていただく |
言う | 申し上げる | おっしゃる 言われる |
申す 申し上げる |
行く | 行きます | いらっしゃる おいでになる |
うかがう 参る |
来る | 来ます | いらっしゃる おいでになる 見える お越しになる |
参る 伺う |
知る | 知っています | お知りになる ご存じだ |
存じる 存じ上げる 承知する |
食べる | 食べます | 召し上がる おあがりになる |
いただく 頂戴する |
いる | います | いらっしゃる おいでになる |
おる |
見る | 見ます | ご覧になる | 拝見する |
聞く | 聞きます | お聞きになる | 拝聴する うかがう |
座る | 座ります | お掛けになる | お座りする 座らせていただく |
会う | 会います | お会いになる 会われる |
お目にかかる |
伝える | 伝えます | お伝えになる | 申し伝える |
わかる | わかりました | おわかりになる ご理解いただく |
かしこまる 承知する |
読む | 読みます | お読みになる | 拝読する |
あげる(与える) | くださる お与えになる |
差し上げる | あげます |
受け取る | 受けとります | お受け取りになる | 賜る 頂戴する 拝受する |
利用する | 利用します | ご利用になる | 利用させていただく |
思う | 思います | お思いになる おぼし召す |
存じる 拝察する |
買う | 買います | お買いになる お求めになる |
買わせていただく |
考える | 考えます | お考えになる ご高察なさる |
拝察する 検討いたします |
待つ | 待ちます | お待ちになる お待ちくださる |
お待ちする |
帰る | 帰ります | お帰りになる 帰られる |
おいとまする |