フィルターバブル、エコーチェンバー現象、これらの言葉を知っていますか?
ここ最近、SNSや検索エンジンやメディアアプリなどは「あなたにぴったりの、あなたの好きな情報」を提供してきます。
このような状態が持続すると、あなたと同じ趣味や同じ意見を持った「同類」からの言葉ばかりが耳に入り、あなたの趣味にあった情報ばかりがあなたの目に飛び込んできて、偏った情報を元に偏った知識で偏った解釈をしてしまう状態に陥ってしまいます。
最近、検索エンジンの上位に表示されているページで「良いページ」と言うのが少なくなったと感じます。特に、購買ワード(おすすめ、人気、選び方)などのキーワードで上位に食い込んでいるページ達です。
僕は、アフィリエイトも、外注を使ったライティングも、リライトも悪い事だとは思いません。しかし、フィルターバブルに包まれた人間が、エコーチェンバー現象に犯されたサイトたちをリライトしたりするのは、大変問題だと思います(それ以上に、そういうページが上位表示されてしまうのも問題ですけどね)
ちょっと、その事について今日はお話したいと思います。
僕は以前、キーワードベースの上位表示狙いのサイトをたくさん作ってきました。今はこうしてPLOGでバカな記事ばかりを書いていますけど・・・・・。
いざ、キーワード選定やコンテンツマーケティング、SEO、といった「典型的な流行りのアフィリエイト」から離れて見てみると、ここ最近のグーグルの検索結果の上位に食い込んでくるサイトたちの質が下がってきていると感じます。
検索エンジンは常に「より良いもの」を目指して進化するため、今違和感を感じていても無視して大丈夫です。しかし、記事を書く人間や、上位表示を狙う人間の質が低下してきているのは問題かと思います。
なぜ、上位表示されているサイトたちの質が下がってきていると感じるのかと言うと、こんな感じのスパイラルに陥っているのではないのかと考えます。
こんな感じかと。
検索エンジンは、質の低いコンテンツを排除しようと頑張ってます。現に、最近もアルゴリズムの変動によってかなり多くの質の低いアフィリエイトサイトたちが影響を受けたのではないでしょうか?
しかし「検索結果で1位を取るための方法」のように、検索エンジンのツボにカーブフィットさせた、いわば「一時的な聖杯」と言うのは存在すると考えられます。この「一時的な聖杯」は、常に形を変えて存在するため、おそらく検索エンジンがどれだけ頑張っても、いたちごっこが続くのではないかと。
検索エンジンでは、過去の検索履歴やページの滞在時間、さらには検索エンジンを使用した場所(東京だとか、新宿だとか)によって「検索者にぴったりな情報」を提供します。
最近では、ニュースメディアのアプリや、フェイスブックのフィードなども、自分の好みに適した情報が優先的に流れてくるようなのが主流となりつつあります。
つまり、あなた好みの「フィルターのかかった情報に包まれている」と言うわけ、これをフィルターバブルと呼びます。
エコーチェンバーと言うのは、閉じられた空間で音が残響を生じるように設計、装備された音楽録音用の残響室の事であり、同じ意見の人だけが話し合っているうちにそれが正しいことだとみんなが信じてしまうことを指します。
最近ではSNSなどで、同様の趣味や同じ思考をもつ人間が繋がりやすいため、同様の意見をなんども聞かされるうちに、それらを信じてしまったり偏った意見を真実だと誤認識してしまう事が問題視されています。
しかし、今回話したように、検索エンジンの検索結果もこの「エコーチェンバー現象」によって、同様のページが量産される事で偏った情報が正しい事だと信じられてしまい、さらにそれが増産されてしまうと言う状態が起きかけているのではないかと考えています。
例えば、誰かが適当に「このカメラが最も使いやすい!」と書いたページが1位に表示されているため真実だと思い込み、そのまま無知なライターがリライトし、エコーチェンバー現象が発生し、対して使いやすくもないカメラが使いやすいとして広まっていく、と言うような感じです。
なんかややこしくなってきましたので、要約しましょう。
本来の、優れたものをフィルターバブルにより見逃した人間が、エコーチェンバー現象によって嘘を真実だと勘違いしたまま記事をかくと、なぜか検索結果でいい順位が取れてしまう。
で、その記事ってコンテンツとしての質が高いとは言えないよね?
と言うことです。
検索結果で1位が取れるんだったら、僕なんかに質の低いコンテンツだと揶揄されようが、検索エンジンを使用した人が不幸になろうがどうだっていいぜ!ブラックハットだろうと構わないぜ!
って人は関係ないのですけど。
「人の役に立つ良い記事を書きたい」って人は、フィルターバブルに包まれないように注意しながら、自分が見ている情報でエコーチェンバー現象になっていないか、またエコーチェンバー現象に巻き込まれた人間が作ったものでないかを判断しなければいけません。
まず出来ることとしては、検索エンジンのフィルターバブルから外に出るってことでしょう。エコーチェンバー現象は自分で防衛するしかありませんから。
ブラウザの大半には「シークレットモード」と言う、簡単に言うとエロサイトを見るときに履歴が残らないと言う素晴らしい機能を有したモードがあります。これはつまり、プライベートな情報が一切記録されないモードのこと。
この状態で検索エンジンを使用すれば、個人の趣味嗜好に偏ったページは表示されませんから、フィルターバブルに包まれないで検索エンジンを使用できるということです。弊社でもライティング業務をしている人たちは、基本的にこのシークレットモードを使用しています。
Googleクロームであれば、winなら「Ctrl+Shift+N」、macなら「command+Shift+N」を押せば、素早くシークレットモードを立ち上げる事ができます。
ただ、いちいちシークレットモードを立ち上げるのがめんどくさいぜ!って人は、Google(検索エンジン)の設定からプライベート検索結果を表示しないように設定すれば、フィルターバブルから抜けられます。
ブラウザで検索すると「設定」という場所があるので、ここで「プライベート検索結果を表示しない」にすればOKです。
上のスクリーンショットは、プライベート検索結果が出ている状態。この記事を書いているPLOGが1位、僕の属す株式会社PLANのホームページが2位、僕たちが配信に使っているニコ生のコミュニティが3位です。
プライベート検索結果をオフにすると、僕たちの株式会社PLANとは関係のない、建築士事務所のアーバンプランという会社が出てきます。
このように、Googleは検索者にとって良いと思われる情報を提案してくるわけです。
なので、アフィリエイターたちは、Googleがこのようにフィルターバブルで検索者を包もうとしていることと、自分が包まれているかもしれないことを理解せねば、普遍的に必要とされるものは作りにくいと言えます。
スマホの場合も同じで、適当なブラウザで何かを検索して、検索結果のページの一番下にある「設定」をタップしましょう。
その後、プライベート検索結果を表示しないにチェックすればOKです。
プライベート検索結果を表示しないようにすると、確かに偏った情報は入ってこなくなりますが、自分の趣味嗜好に偏った情報とそうでない情報を見比べる事で、どんなものをトリガーにして自分の「好み」をシステムが理解しているのかを考える事がなくなってしまうのは、ある種の問題かもしれません。
上手に使い分けながら、物事の本質を見極められるようになりたいところです。良いコンテンツが世の中に溢れることを切に願っています。