食欲の秋!といえばこの言葉「香りマツタケ、味シメジ」。この言葉のシメジって、みなさんが普段食べているブナシメジではなく、マツタケと同じ菌根菌に属す「ホンシメジ(別名:ダイコクシメジ)」だって知ってましたか?
ブナシメジを食べながら「やっぱりマツタケより、味ならシメジだな(ビシィッ)」とか、部下や子供達に恥ずかしい知識を披露しないために、この辺の知識はしっかりしときたいですね。
ところで、ホンシメジとブナシメジ、スーパーで買うと金額は3倍近く違いますが、そんなに味は違うものなんでしょうか?キノコの中でも最も美味しいとされるホンシメジ、目隠ししてブナシメジと食べ比べてみました!
食用キノコの定番品と言えるシメジ。漢字で書くと「占地」「湿地」と言った、まあ日陰に生えてそうなものの総称って感じの言葉になります。分類学的に定義が曖昧なのは、キノコの話をすると必ず通る道ですが、シメジに至っては「商品として流通させる際の名前」もごちゃごちゃしており難儀なのです。
例えば、
こいつら全部「シメジ」って名前でスーパーなどに並びます(最近はしっかり明記されるようになってきてます)。
昔、両親に「僕も松茸食べてみたい!」って言ったら、「香り松茸、味シメジ」つってな、松茸よりもしめじの方が美味しいんだよ!って言いくるめられて、僕もそうか!なんて思ってブナシメジをありがたがって食べ、さらに次の日小学校で「松茸よりブナシメジの方が高級!」とかいう嘘知識を披露した記憶があります。
結婚したばかりの幸せな頃の両親を正座させて言いたい。
子供に嘘を教えるんじゃない!
「香り松茸、味しめじ」ここでいうシメジというのは、キシメジ科シメジ属ホンシメジのことであり、普段我々が食べているブナシメジとは違うのである。ブナとは違うのだよブナとは!
秋にコナラ林やアカマツ林でこれらの樹木に菌根をつくって生活し、子実体は地上に単生 – 群生する。傘は高さ2 – 8cm。初め半球形からまんじゅう形で、後に平らに開く。色は灰褐色で、白色のかすり模様がある。柄は長さ3 – 8cmで白色、下部がとっくり状に膨らむ別名の由来でもある。肉は緻密で美味。菌株により異なるが、菌糸の成長温度は5 – 32℃で、最適温度は25 – 26℃。子実体の発生温度は15℃前後。
引用元:wikipedia
数年前まで「マツタケ」と「ホンシメジ」は栽培できない食用キノコの代名詞として知られていました。その理由は、これらのキノコが木と共生する菌根菌と呼ばれる種類だからであり、木と共生するメカニズムが解明されなかったため、菌根菌に属すキノコは人工栽培が不可能だったのです。
しかし、突如として人工栽培のホンシメジが現れます。それはなぜか?
答えは簡単。ホンシメジに属すキノコの一部が、例外的にタンパク質を分解できる腐朽菌の性質を持っていたからです。結局、菌根菌型キノコの人工栽培が可能になったという訳ではないのですね。
秋にブナをはじめとするトチノキ、シナノキ、カエデ等広葉樹の朽木、倒木および伐根に群生する。傘は高さ4~15cm、表面は白~赤みがかった灰色で、中央部に濃色斑状の大理石模様を顕す(日陰に生えたものには模様が見られない場合もある)。襞は白色で、やや密、柄に直生。柄は長さ3~10cm、傘に対して偏心性・中心性。胞子は4~5×3~4μmの広卵形~球形。
当初はシロタモギタケ (H. ulmarius) と同一視されていたが、傘に大理石模様が出る点などから別種であることが判明した。
引用元:wikipedia
我々が普段から「シメジ」として食ってるのがこのブナシメジ。昔はこのブナシメジを「ホンシメジ」というパッケージで売っていた時代もあります。エリンギをマツタケとして売るくらい悪どい商売ですね。この表記は1991年まで続いたとされています。
ホンシメジはブナシメジと比べて、グアニル酸やグルタミン酸、アスパラギン酸と言ったうま味成分を豊富に含み、糖質であるトレハロースの量に差がでるのも味の違いを産む理由とされています。
という訳で、早速用意しましたホンシメジ。別名ダイコクシメジと言われるように、かなりビッグな見た目です。ブナシメジとは似ても似つかぬその感じ。雰囲気はマツタケに近いですね。
今回は目隠しした状態で、味付けせず食べて純粋な味覚のみで判断したいと思います。なので、食感でバレてしまわないように、みじん切りにした状態で食べ比べます。ホンシメジをズタズタにしてしまうのは、なんだか勿体無い気がしますが、仕方ありません。
フライパンで加熱調理し、それぞれスプーンに分けました。粗熱をとったところからゲーム開始です。フライパンで炒めている間に感じたのですが、ホンシメジはブナシメジと比べて、かなり香り立ちが強く感じます。
さて、それではホンシメジとブナシメジ、どっちが美味しいのか食べ比べてみましょう。ちなみに今回の食べ比べに挑戦する3人は、ホンシメジをホンシメジと認識して食べた事のない人達です。
どうやら、自信ありげなアキラ。いつも食べているブナシメジを当てて、その反対がホンシメジだろうという予想で挑戦。ホンシメジを口に入れた瞬間「フッ」と鼻で笑い、もうわかりましたと一言。高級キノコのホンシメジに対して、水っぽいと散々の文句をつけた挙句。
あえなく撃沈。
プランのグルメモンスター(自称)こと、あべちゃん。舌の部分によって味の感じ方がどうだとか御託を抜かし、なんと1個目のブナシメジを口に入れた瞬間、もう勝利を確信している様子。
2個目のホンシメジを口に入れ、「あ、もうわかったわ」と。味じゃなくて風味が違う、鼻に抜ける風味で判断できると、鼻腔に充満する香りがもうホンシメジだとおっしゃられておりました。
素晴らしい!正解。しかしこのドヤ顔、ムカつく。
さて、今回の企画の立案者、僕(勇太)。
2個目のキノコを口に入れた瞬間、凄まじい旨味と香りに襲われ勝利を確信。散々、旨味が違うだの、香りが違うだの、美味しすぎるだのと言ってブナシメジを褒め称える滑稽な姿である。そして全世界に恥を晒すという大失態。
未来の子供に見せたくない動画の1つである。
はい、残念ながら、株式会社PLANのバカ舌2名の活躍により、グルメモンスターあべちゃんの活躍虚しく、美味しいのはブナシメジという最悪な結末になってしまいました。
特に勇太に至っては、明らかにブナシメジの方が味が濃くて旨味が強いと言っています。ほんと安舌ですね。でもまあ、どちらか片一方がマズイという訳ではなく、どちらも美味しいって事は間違いありません。
とはいうものの、3倍近い金額を出してホンシメジを今後買うか?と言われると、大変悩むところですね。やはりグルメというのは「違いのわかる人たちの趣味」って感じでしょうか。
ただし!ホンシメジが本領を発揮するのは、みじん切りではなく、形をある程度残した状態での加熱調理かと思います!という言い訳をさせてください。