ロゴやアイコンを作成するときの手法として、設計図を作るという方法があります。このロゴマークの設計図は専門用語で「ロゴグリッド」や「コンストラクションガイド」と言うのですが、僕はこのロゴマークの設計図に使われた線が残っているものが大好きです。
今回はこの「ロゴグリッド(コンストラクションガイド)」についてのちょっとした知識と共に、最近僕が作ったロゴマークをロゴグリッドを残したままご紹介したいと思います。
そもそも、ロゴマークの設計図に使われる補助線「ロゴグリッド(コンストラクションガイド)」というのは一体何者で、なんのために使われるのでしょうか?
それは、「デザインに規則性を持たせるため」です。
そもそもデザインにルールはありません。有名ブランドの中には適当に書いた落書きがそのままロゴデザインに使われているケースもありますから、規則性が全てとは言えません。
しかしその反対に、ロゴデザインに一定の規則性を持たせる事で、整然とした数学的でロジカルな美しさを持ったロゴマークも存在します。特に、GoogleやAppleなどのロゴマークは有名だと思います。
そういった「数学的な規則性」について回るのが「黄金比」や「三分割法」といったレイアウトのルールです。これらのルールを使用して作られたガイドラインにデザインを落とし込んでいく事で、美しい「規則性」を表現できます。
そのために使用されるガイドラインの事を、「ロゴの設計図」だとか「ロゴグリッド」「コンストラクションガイド」と呼ぶのです。設計の作図においては補助線って言う呼び方もしますね。
さて、そんな「ロゴグリッド(コンストラクションガイド)」こと、ロゴ設計図に使われる補助線ですが、僕は何を隠そうこのロゴグリッドが大好きなのです。
弊社「株式会社PLAN」のロゴマークもロゴタイプも僕がデザインしたのですが、このデザインは僕の「好きなもの」が恐縮されています。それは、「黄金比」と「ロゴグリッド」と「サンセリフ体」です。
こう言う、ロゴデザインの設計に使われた補助線がとにかく大好きであり、世界にある有名デザイナーの作ったロゴマークやロゴタイプの補助線を見ながら何杯でもお酒が飲めるのが僕です。
どこかの奇特な人が、世界の有名なロゴデザインに使われたロゴグリッドをまとめた本とか出してくれたいいのに・・・。
とまあ、そんなこんなで、もし僕と同じような「補助線好き」なロゴグリッドフリークがいたら、僕が作ったロゴマークでも補助線需要を満たせるかな?と思ったので、弊社が運営するメディア「ピントル(PINTORU)」のために作成したロゴマークをロゴグリッドごと紹介したいと思います。
ホームシアターやパワーポイントを使った発表などでおなじみの「projector」。小文字の「p」をレンズに見立てて、シンプルに仕上げて見ました。ポップで可愛いと思います。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、プロジェクターの専門ページのロゴマークとして使用されています。
化粧の必須アイテムとも言えるファンデーション。化粧品にありがちな格式のあるセリフ対の「F」に、ファンデーションっぽい角丸の四角形を配置してみました。ファンデーションの質感が気持ちいいと思います。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、ファンデーションの専門ページのロゴマークとして使用されています。
パソコンを使って効率的な作業をするのに必須とも言える「マウス」のロゴマーク。「M」の文字でマウスの形を作り、マウスとPCを繋ぐコードでぐるりと囲んでみました。現代的なモチーフはロゴグリッドと相性良しですね。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、マウスの専門ページのロゴマークとして使用されています。
一家に一台!ご飯を炊くのに必須とも言える炊飯器のロゴマークです。角丸の四角形を使って炊飯器そのものをアイコン化してみました。液晶画面周辺のバランスが難しかったのですが、ロゴグリッドを残すと真意が伝わるのでいい感じです。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、炊飯器の専門ページのロゴマークとして使用されています。
ブックシェルフ型スピーカーのシルエットと、「S」の文字でスピーカーユニットを表現してみました。ロゴグリッドを残した状態だと、どのパーツがどこの線に起因して発生しているのかがわかるので、心踊ります。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、スピーカーの専門ページのロゴマークとして使用されています。
どストレートに、キーボードのキーを連想させる 角丸四角形を使って「KEY」の三文字とエンターキーを作って見ました。エンターキーのバランスがポイントです。設計線があると、この辺りの「理由」がわかるので気持ち良いですね。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、キーボードの専門ページのロゴマークとして使用されています。
電気ケトルの頭文字である「e」をモチーフにするか迷ったのですが、電化製品を連想させる「電源ボタン」に注ぎ口をつけるというアイデアに落ち着きました。曲線が多用されるデザインはロゴグリッドがあるとより気持ちよくなります。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、電気ケトルの専門ページのロゴマークとして使用されています。
サラダ油やオリーブオイルなど「食用油」のロゴマークを!という依頼でしたが、油と食用油の違いを油自体から見出せなかったので、フライパンをoilの「o」に見立て、cookingの「c」で油を表現して見ました。持ち手の部分の設計をしている時が気持ちよかったです。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、食用油の専門ページのロゴマークとして使用されています。
お次は「まな板」です。英語にするとクッキングボード!というわけで「C」と「B」を使って、アメリカンな雰囲気のまな板のシルエットを組み立てて見ました。包丁2本で「B」の穴の部分を作ってます。手前味噌ですが可愛いです。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、まな板の専門ページのロゴマークとして使用されています。
カラーの「C」と、ペンシルの「P」を角丸四角形の中に配置し、アンビグラム的に鉛筆のシルエットを落とし込んでみました。ロゴグリッドで見る角丸四角形って最高ですね、ゾクゾクするほど気持ち良いです。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、色鉛筆の専門ページのロゴマークとして使用されています。
香水(perfume)の頭文字「p」を都会的な細文字で作り、それを枠にして中に香水の瓶を配置してみました。液体の中の気泡の位置関係ですが、ロゴグリッドを残したままにすれば理由がわかりやすいので、一緒に気持ちよくなれると思います。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、香水の専門ページのロゴマークとして使用されています。
壁掛け時計のシルエットをそのままに、針をwallの「W」、文字盤をclockの「C」で表現してみました。なんだか、時計っていうよりも羅針盤みたいな感じになってますが、その辺りはご愛嬌ってことで!
弊社運営メディア「PINTORU」にある、掛け時計の専門ページのロゴマークとして使用されています。
寒い冬に暖かい布団で寝たい!という夢を叶える先人の知恵「湯たんぽ」。眠りの化身とも言える「羊」にインスピレーションを得て、そのまま湯たんぽにしてみました。楕円と真円を組み合わせたロゴグリッドが気持ちいいです。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、湯たんぽの専門ページのロゴマークとして使用されています。
キャンプなどの料理で欠かせないダッチオーブン。頭文字の「d」の中にダッチオーブン自体を入れ込んでみました。持ち手の部分が綺麗に収まったが幸せです。ロゴグリッドが残っていると空白部分の作り方が垣間見得て気持ち良いと思います。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、ダッチオーブンの専門ページのロゴマークとして使用されています。
除湿機のロゴマークと依頼されて作ったデザインです。「湿度を禁止する」というイメージで作ってみました。駐車禁止や禁煙のような禁止マークを、頭文字の「D」に当てはめ、中に湿度を連想させる水滴マークをはめ込んでます。
弊社運営メディア「PINTORU」にある、除湿機の専門ページのロゴマークとして使用されています。
素晴らしいロゴマークのアイデアというのはヒラメキや手に持った鉛筆から生まれます。大量のグリッドやサークル状のガイドラインから誕生するのではありません。というのは「The Logo Smith」のグラハム・スミスの言葉。
もちろんその通りではありますが、ロゴグリッドやコンストラクションガイドというのは、素晴らしいアイデアによって作られたロゴマークを美しくするのに一役買ってくれると思います。
そんなロゴマーク設計図の補助線というべきロゴグリッド(コンストラクションガイド)込みで見るロゴマークというのは、優れたアイデアやヒラメキによって生み出されたロゴマークに、数学的な美しさやロゴマークの裏側にあるロジカルな部分が表現されます。
ゆえに、ロゴグリッド自体が素敵に見えるのです。
この、ロゴグリットが生み出す「美しさの説得力」は、ロゴマークやロゴタイプをクライアントに提案するときに利用できるのはもちろんですが、デザインのアクセントとしても使えると思います。
ぜひ、インスピレーション源として使っていただければ!以上。