FIFAランキングってどうやって決められているの?だってあの国って日本より弱いのにランク上じゃん!
そう思ったことはないだろうか。
ロシアワールドカップまであと約8ヶ月!
サッカーファンとっては、眠れない1ヶ月が刻々と近づいてきていますね。
ワールドカップ出場国も徐々に決まってきました。
出場を決めている日本代表もこれから更に熾烈な代表メンバー争いが行われるはずです。
そしてつい10日前(2017/10/16)にFIFA(国際サッカー連盟)が各国A代表のランキングを発表しました。
我らが日本代表は4つ順位を下げて、全体で44位(アジアで3番目)になりました。
サッカーファンならお馴染みのFIFAランクですが、そのFIFAランクがどう計算されているかを知っている人はあまりいないのではないでしょうか。
ってことで僕も気にしていなかったFIFAランクの計算方法を一緒に勉強しましょう。
さて、まずは知っている人も知らない人もFIFAランキングについて少し勉強しましょうよ。
FIFAランキングとは、国際サッカー連盟が発表するランキングで過去4年間のA代表(年齢制限のないトップチーム)の成績を元にポイントが振り分けられて毎月発表されます。
女子A代表のFIFAランキングもありますが、女子の場合は過去の成績全てが対象となります(女子日本代表はFIFAランキング8位)
つまり一言で言えば、各国代表のサッカーの強さを表す指標となるわけですな。
だから日本代表も世界の強豪から舐められない為にも少しでも順位が上にあることが望ましいのは言うまでもないですね。
最新のFIFAランキングはこちらで確認することができます。
1993年から始まったFIFAランキングの算出ですが、過去に二回改定が行われています。
最も最近計算方法の改定が行われたのは2006年ですが、その前は直近12ヶ月ごとに最も成績の良かった(ポイントの高かった)7試合を元に算出されていました。
しかしこれでは、いわゆるサッカー先進大陸国(ヨーロッパや南米)とサッカー発展途上大陸国(アジアやアフリカなど)が平等ではないんですよね。
極端な例で少し考えて見てください。
1部リーグで戦っているチームAと2部リーグで戦っているチームBがあるとします。
チームAは10試合戦って3勝7敗。対するチームBは10試合戦って8勝2敗だったとします。
両チームの最も成績のいい試合7試合は、チームAが3勝、チームBが7勝ですよね。
こうなると、チームBの方がランキングが上になってしまい、1部リーグでレベルの高い相手と対戦しているチームAがチームBよりランキングが下になってしまうわけです。
つまりヨーロッパで強豪と戦っている国とアジアで戦っている国とではランキングが不平等だし正確ではなかったってこと。
ところが2006年からは、過去48ヶ月で全ての国際試合を対象にして算出されるようになりました。
その為今まで算出対象になっていなかった試合全部も対象になったので、ヨーロッパや南米でしのぎを削る国も平等にランキングを算出できるようになりました。
この算出方法になってからは、サッカーファンの主観に合致するようになったんだとか。
正直に言います。FIFAランキングの計算はめちゃくちゃ面倒臭いです(笑)
出来るだけ簡単に説明しようと思うので、ついてきてください。
それでは、計算につきものである公式を紹介しますね。
FIFAランキング=試合の結果(A) x 試合の重要度(B) x 対戦国の強さ(C) x 大陸間の強さ(D) x 100
もちろんですが、試合の結果が1つの重要要素になってきます。
勝ちは勝ち点3、引き分けは勝ち点1、負けは勝ち点0。
PKでの決着の場合は、勝ちは勝ち点2、負けは勝ち点1となります。
PKで勝敗がついた場合に負けた方にも勝ち点1がつくのはFIFAランクの計算ならではですね。
次に大事な要素になってくるのが、その試合の重要度です。
こっからは係数の話になってきます。
試合の重要度は下記のように割り当てられています。
*大陸選手権とは、AFCアジアカップ・アフリカネーションズカップ・コパアメリカ・CONCACAFゴールドカップ(北中米カリブ海)・OFCネーションズカップ(オセアニア)・UEFA欧州選手権のことを指す。
次に対戦する相手国の強さ(ランキング)によって係数が決まっています。
当たり前ですが、対戦相手国のランキングが高ければ高いほど係数は高くなります。
*例:日本対ベルギー(FIFAランキング5位)…2017/10/23時点
(200-5)/100=1.95 となる
最後に大陸間の強さはそれぞれの大陸連盟の持つ係数によって表します。
南米の国とヨーロッパの国に勝つと係数が高いのでポイントがどんどん上がってきそうですね!
結局は全部勝てばいいんですよ。当たり前ですけどね(笑)
ただ、ランキングだけ上げたいって言うのであれば、W杯予選で堅実に勝つことは当たり前として、親善試合で負けないようにすればいいんですよ。
負けた時点でポイントの獲得はありませんから、そこそこ勝てる相手を選んで親善試合で確実にポイントを積み重ねればいい。
でも実際そういうわけにもいきませんよね。
親善試合は強化試合としても位置付けられますから、代表チームの力試しをするのであればそれなりに強い国と戦わなければなりません。
例えば、日本代表は来月の11/10にブラジル(FIFAランク2位)と11/14にベルギー(FIFAランク5位)との強化試合が組まれています。
※どちらも2017年10月23日時点
仮に二つの試合に勝ったとしてFIFAランクを計算してましょう。
3 (A:試合の結果) x 1.0(B:試合の重要度) x 198/100(C:対戦国の強さ) x 1.0(D:大陸間の強さ) x100=594
3 (A:試合の結果) x 1.0(B:試合の重要度) x 195/100(C:対戦国の強さ) x 0.99(D:大陸間の強さ) x100=579.15
ちなみに仮にこれがワールドカップ本大会だった場合は単純に親善試合のポイントが4倍(試合の重要度)になります。
ブラジル:3 (A:試合の結果) x 4.0(B:試合の重要度) x 198/100(C:対戦国の強さ) x 1.9(D:大陸間の強さ) x100=2376
ベルギー:3 (A:試合の結果) x 4.0(B:試合の重要度) x 195/100(C:対戦国の強さ) x 0.99(D:大陸間の強さ) x100=2316.6
ここまで読んでくれていると何となく分かってきたかもしれないけど、親善試合でヨーロッパ国や南米国などのFIFAランク上位国と戦って勝利しまくればいいのかって話になるんですけどこれがそうでもないんですよね。
というのも、なんだかんだ言って対戦するのって大陸選手権やワールドカップの予選などでその大陸の国々と対戦することが多いからですね。
例えば、今や日本のライバルとなっているオーストラリア(FIFAではアジア加盟国)と大陸選手権で対戦した場合を見てみます。
3 (A:試合の結果) x 3.0(B:試合の重要度) x 157/100(C:対戦国の強さ) x 0.85(D:大陸間の強さ) x100=1201.05
なんとブラジルやベルギーなどの強豪国との親善試合で勝つよりも、大陸選手権でのオーストラリアとの試合で勝利した方がポイントを獲得できるってわけですね。
つまり、ヨーロッパのように強豪国と大陸選手権やワールドカップ予選などで試合をする国は負けてしまうとポイントを得ることができないので、いくら親善試合で他の大陸国に勝っていても日本よりもFIFAランクが下のヨーロッパ強豪国もあるんです。
だから、ヨーロッパの強豪国で下位に沈む国の人たちも「日本よりも絶対強いのにランクが下なんてふざけんじゃねぇ!!」って思っているはずですよ(笑)
「俺たち日本よりも絶対あの国弱いじゃん!」とか何とか言う前に目の前の代表戦を応援するしかないんですよ。
FIFAランクの計算方法を知ってるだけで少しサッカー界のカラクリを知れた気がしませんか?
頑張れ日本!