一応自分で会社をやっていると、他の様々な起業家が何を考えているのかについて触れる機会が自然と増えたりしてきた半田(@handa_plan)です。
そこで僕がすごく気になるのが、「世界を変える」という言葉です。率直に言ってこの言葉、というか風潮が僕は好きじゃありません。というかキモい。
起業や独立に世界を変えようとする意識って本当に必要なんでしょうか。ちょっと考えてみます。
起業している人に限らず、昨今のスタートアップとかベンチャーに関わる人たちってこういうこと言いすぎている気がします。
なんか世界を変えたいみたいなことを思想として持っていないと起業家としてダメだくらいの雰囲気を感じます。
世界を変えようとしてないと、なんでスタートアップやってんの?なんでベンチャーにいるの?みたいな風潮すら感じるんですよね。
コレ言ってくる人には、スタートアップをどういう意味で使ってんだよとツッコミたくなるんですが、それはここでは置いておいて。
起業家って本当に世界を変えなきゃいけないんでしょうか。僕にはイマイチ分かりません。
世界を変えたい方々というのは、売上やら時価総額やら資金調達額など数字が出てくるときにやたらと大きな数字を口にします。
別にそれ自体一向に構わないのですが、小さな数字を小馬鹿にするのはやめた方がいいと思います。
「売上たった一億円」とかいう言葉を平気で使う人とか、何考えてるんだかさっぱり分かりません。
そのたった一億円を売り上げるためにどれだけの仕事をしなくてはいけないか分かっているはずの人がそういう言葉を平気で使うのをみると本当にガッカリします。
世界を変えたい方々というのは、どうやるかは別としてとにかく世界を変えたいようです。はたしてどうやって世界を変えるというのでしょうか。
いや、正直そこはもうどうでもいいです。僕が気になるのは、なぜ世界を変えたいのかという部分です。
なんだか分からないけど世界を変えたい。そのことだけにモチベーションがある人ってホントにいるんですかね?そりゃゼロじゃないでしょうけど。
世界を変えたい方々というのは、自分のやっていることが世界を変えることにつながっていると思っているようなのですが、それが僕にはわかりません。
何とは言いませんが、それって世界を変えることにどうつながっているのって聞きたくなるようなことをしている方がいます。
今はこれをやっているけど、いつかは・・・って。それ明日から本気出すって言っている人と何が違うのか僕にはさっぱり分かりません。
そもそも世界を変えるってのは一体何がどうなることを言うのでしょうか。書いている僕も混乱してきました。
いよいよ世界を変えるということが分からなくなってきたので、これまで実際に世界を変えてきた人たちを見てみることにしました。
ただしあまり昔まで遡るのはやめて(豊臣秀吉だとか徳川家康ではなく)、ごく最近の著名人についてピックアップしてみます。
言わずと知れたフェイスブックの創業者です。彼が生み出した「facebook」の利用者は世界で16億5000万人(2016年4月28日時点)。誰もが認める世界を変えた人物と言って間違いないでしょう。
そんなフェイスブック創業のきっかけは、はたしてマーク・ザッカーバーグの「世界を変えたいという思い」だったのでしょうか。僕はどうしてもそう思えません。
結局は彼の「フェイスブック」をクールなものにする。面白い仕事にするというのが根源にあったのではないでしょうか。
その結果、フェイスブックはインターネットの世界における人の流れは確実に変わり、広告業界においても多大な影響を与えました。
僕自身も、フェイスブックがなければ今とはかなり違った人生を歩んでいたといっても過言ではない。そんな気がしています。
今や世界でも知らないものはいない、動画共有サービス「YouTube」の共同創立者です。
彼はもともとフェイスブックに最初のエンジニアとして採用された後、ビデオサイトを作るといって辞めてしまいます。
そんな彼がビデオサイトを作りたいと思った理由は、「友達と映像を共有したいから」だったそうです。
YouTubeの登場は間違いなく世界を変えたのではないでしょうか。何よりこのサービスによって世界中に数多くの億万長者を生みだしました。すごい・・・
僕自身YouTubeをまったく使用しない日というのは、決して多くありません。人生のかなりの時間を奪われました笑
「エバーノート」のCEOであり、他にもベンチャーを起業して成功へと導いた人物です。この方に関してはネットにインタビュー記事がありました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20121026/238610/?ST=pc
なになに・・・起業を志す際にありがちな三つの間違った動機とな。
一つ目は「お金がほしい」。なるほどなるほどお金を目的にするなよと。
二つ目は「高い地位」。うんうん謙虚さ大事だよと。
三つ目は「自由な時間がほしい」。はいはい自由は考えるほどないよと。
しかも起業家を志すまっとうな理由が書いてあるぞ。なになに・・・
ここまでご覧いただければ、起業家を志望する際によくある動機の前提は大抵誤解に基づくものであることがお分かりになるでしょう。
けれど僕は1つだけ、起業家を志すまっとうな理由があると思っています。読者の皆さんは分かりますか?
それは「世界を変えたい」という理由です。
・・・。
「え・・・!?」
うっそーん!!!フィルさんが「世界を変える」大事言うてるやーん。
い、いや、今エバーノートってそんなうまくいってないみたいやん(汗)
収益的に苦戦してるらしいじゃん(汗)
っと、というかエバーノート使ってないし!!!(滝汗)
せ、せかいまだ変わってないんじゃね!?(震え声)
ここまでの話で、世界を変えるって言ってる人を全否定するみたいな言い方になっちゃってますが、別にそういうつもりはありません。
あくまでも一つの懸念であり、世界を変える意識がない奴は挑戦することすら否定されるような風潮が蔓延するのがいやだなって思ってるだけです。
僕みたいに、好きなことを好きな人と好きなだけやれる環境を作りたいという至極自分本位な考え方でもいいんじゃないのって話です。
もちろん自分自身が何かサービスを考えたり始めたりする時は、こんなサービスがあったら便利、面白い。ということは大事にしたいです。
でもやっぱりあくまでも自分のサービスやプロダクトに熱中した人生を送りたいっていう自分本位な考えなわけです。
決してボケーっと暇な時間を過ごしたいわけじゃありません。ひたすらに自分の人生を楽しむ。そして自分に関わる人と笑顔を共有したい、そう思う次第であります。