相手に気を使えば使うほどに、なぜかそれが裏目に出てしまう。
仕事が終わって「お疲れ様!」と言ったあと、またどこかでばったり会ってしまって気まずい空気に。そうならないように時間をかけて片付けてから外に出たのに、なぜかエレベーターホールでばったり。
そんな「なんとも言えない恥ずかしいような気まずいような」あの最悪な空間。やっぱり「お疲れ様」は1回で終わらせたいですよね!
今日も仕事を頑張った!先輩お疲れ様です!みたいな挨拶をして別れた後、帰り道でまた会ってしまって2度目のお疲れ様・・・・・。あの、なんとも言えない恥ずかしいような、どんな話をしたらいいのやらという、あの感じ。
最悪である。
そんな最悪な事が何回も続いてしまう、まるで悪夢のような状況を想像してみました。まさに絶望という言葉が相応しい、一生の記憶に残りそうなストーリーになってしまった。
相手を思いやって気遣いしたがために発生してしまった重大な事故でありますが、きっと思わず「あるある」と思う人もいるのでは?
状況としてはこうだ。
最近僕が配属された部署に前からいる本山さん。
なんか会話を聞いていると気難しそうだし、特に僕の好きなタイプでもないので波風を立てずに平和に過ごしたい。仲良くはしたくないけど、嫌われたくもない、そんな感じの人。
今日は丁度、本山さんと同じくらいの時間に仕事が終わったんだけど、確か本山さんは電車通勤。事務所の近くの駅っていうと新宿三丁目か東新宿駅、どっちかはわからないけど駅まで一緒に歩くのは苦痛だ。
よし!荷物の片付けに手間取ってるふりをして、一緒に帰らずにすむようにしよう!
本山さんが帰るようだ。
僕も丁度仕事が終わったところだけど、あまり仲良くない本山さんと駅まで一緒みたいになったら僕も困るし、きっと本山さんも気を使って大変だろう・・・。
よし、少し事務所で時間を潰してから帰ろう!
いつもよりも丁寧にデスクの周りを片付けて、持って帰る荷物をカバンに入れて・・・。
あ、そうだ!ついでにPCのアップデートとかも済ましてから帰ろうかな!
え・・・うそ?
10分以上前にお疲れ様です!って言って出て言ったのに、なんでまだエレベーターホールにいるの?こんなのどうやったって追いついちゃうじゃん・・・。
一体何してたんだよ・・・まあ、仕方ないか・・・・・。
あ、お疲れ様です本山さん。
おお!谷口か、お疲れお疲れ〜。
うわぁ・・・気まずいわこれ・・・。
どうしよ、このまま駅までとかなったら死ぬる!!
とりあえず、本山さんに先に行ってもらおう。
10分くらい電話してるふりして時間を潰せば、さすがにもう本山さんに会うことはないでしょ!
ま、こんだけ時間を潰せばさすがに本山さんも駅に着いてる頃だろう。
でも、こんな何回も会ってたら、次とか本当に気を遣わせてしまうから、万全を期して一旦コンビニに寄ってジャンプでも読みながら時間を潰そう!
今週のワンピース、どうなったかな?
うわ・・・まじかよ、最悪だ。
本山さんおるやんけ・・・。
「お!谷口!また会ったな!」
「あ、本山さんお疲れ様です!」
「おうおう、ありがと!谷口も気をつけて帰れよ!」
「ありがとうございます」
最悪すぎるだろ・・・。こんな何回も会うとか悪夢かよ・・・。
だめだ、本当にヒクくらい時間を潰してから行こう。多分20分くらいは時間を潰さないと、また出会ってしまいそうだ・・・。
っていうか、本山さんまっすぐ家帰らないのかな?家帰りたくないのかな?変な人すぎるだろ・・・もはや恐怖だわ・・・。
よし、もういいだろう、そろそろ行くか!
まじかよ・・・。
なんでこの人、タバコ吸ってんの?
「お!谷口!お疲れ〜!」
「本山さん、お疲れ様です。」
じゃあ、すいません、お先に失礼します。
やっと本山地獄から抜けられた・・・。ほんとなんなんだよ、あの人。
あれ、完全に俺のこと待ち伏せしてたんじゃないか?怖いわほんと。
今日は、家帰ったらさっさと飯食って、軽くスプラトゥーンしてからビール飲んでゼルダってパターンかな〜。
てかポプテピピックの3話が公開される頃じゃね?ゲームもいいけどアニメも見たいわ〜。
あ〜。ちょっと趣味の時間が少ないわ。仕事休んじゃおっかな〜。
残高ありますように。
よかった、通れた。これ毎回ヒヤヒヤするんだよな。
あ〜、電車まだかな。この時間マジ無駄だわ。
赤信号と電車の待ち時間だけで、一生のうちの半年分くらいは無駄にしてる気がする。今度計算してみようかな・・・。
ってか、株式会社PLANのツイッターのフォロワー少ないな・・・なんとかならないかな・・・。もっとみんなフォローしてくれよ・・・・。
おわかりいただけただろうか・・・
まるでRPGで回避できないように決められたイベントのごとく出会ってしまう。
1回めの遭遇、エレベーターホールで本山さんに気がつかれないように非常階段を使って降りたとしても、おそらく1階に着く頃にエレベーターが到着してしまい、「お疲れ様です」してしまうだろう。
あの時、コンビニに寄るなんて選択しなければ!そのまま、まっすぐ帰っていれば!と思うけども、きっとそれだと、灰皿がある場所でタバコを吸っている本山さんに遭遇してしまう・・・。
いやまてよ?俺がどれだけ回避しようと頑張っても、最後には駅のホームで電車を待っている時に追いつかれてしまう・・・・。
そうか・・・、事務所で1回目の「お疲れ様です」をした瞬間、俺の未来は駅のホームで本山さんに「お疲れ様です」をしてしまうように仕組まれていたんだ・・・。どうあがいても、分岐された俺の並行世界はそこへ集約されていってしまう・・・。
どうしたら、どうしたら俺を救える!?
ダイバージェンス1%の壁を超えて世界線を移動できれば・・・そうか!あの時、本山さんに「お疲れ様です」と言われたと、過去の自分に勘違いさせることができれば・・・。
これより最終ミッション「オペレーション・スクルド」の概要を説明する。確定した過去を変えずに、結果を変えろ。 最初のお前を騙せ。 世界を 騙せ。 それが・・・シュタインズ・ゲートに到達するための条件だ。
健闘を祈る。
エル・ プサイ・コングルゥ。