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日清オイリオ「MCTサプリメントゼリー」の感想と評価レビュー

日清オイリオ MCTサプリメントゼリー

糖質制限や、低炭水化物ダイエット、ケトン式ダイエット、ローカーボダイエット、といったダイエットと切っても切れない関係の「MCTオイル(中鎖脂肪酸)」。

そんなMCTオイルをスティックゼリーにして手軽に摂取できるサプリ「MCTサプリメントゼリー」を日清オイリオが開発し、スポーツ愛好者の間で話題となっています。

最近、僕がよく行くボルダリングジムでも、クライマー向けに試供品が置かれていましたが、果たして運動中のMCTオイル摂取はパフォーマンス向上に有利なのでしょうか?

今日はその辺りについて解説すると共に、MCTサプリメントゼリーの感想と評価をレビューします。

筆者は医者でも栄養士でもありません。ネットや文献で得た知識を元にサプリとトレーニングで減量を行うしがないクライマーです。一般人よりは知識があると思いますが、情報を鵜呑みにしないでいただけると助かります。

日清オイリオのMCTサプリメントゼリーとは?

日清オイリオ MCTサプリメントゼリー

日清オイリオは、日本初のサラダ油となる「日清サラダ油」を生み出した食用油のリーディングカンパニー。そんな日清オイリオが昨今、猛烈にプッシュしているのがMCTオイルです。

最近のダイエットブームの中心といえば、糖質制限やグルテンフリーといった、「炭水化物よりも脂質を摂取しよう」系のダイエット方法。とりわけ、糖質制限の中でもケトーシスを目指すアトキンスダイエットでMCTオイルがケトーシスの呼び水となる点などが注目されています。

そんな中、日清オイリオからリリースされたのが、6gのMCTオイルが含まれたゼリー状のサプリメント「MCTサプリメントゼリー」です。

僕がよく行くボルダリングジムでも試供品が置かれており、広告塔にはサッカーの長友選手が抜擢されていたりと、アスリート向けの商品イメージである事が伺えます。

MCTオイル(中鎖脂肪酸)とは?

ココナッツやパームフルーツに60%程度含まれる中鎖脂肪酸を抽出し、中鎖脂肪酸100%で作ったオイルのことをMCT(Medium Chain Triglyceride)オイルといいます。

脂肪酸には「多価不飽和脂肪酸」「一価不飽和脂肪酸」「飽和脂肪酸」などがありますが、これらは「結合の形状」によって分類されている脂肪酸の種類です。

「中鎖脂肪酸」というのは「脂肪酸の長さ」によって分類されている種類であり、対をなすのは「長鎖脂肪酸」という、分子に含まれる炭素数が11以上の脂肪酸です。

MCTオイル(中鎖脂肪酸)がダイエットに向く理由

MCTオイル(中鎖脂肪酸)がダイエットに向いていると言われている1番の理由は、脂質の中でもずば抜けて高い吸収性。

長鎖脂肪酸に比べて脂肪酸の長さが半分程度まで短いため、水に溶けやすく、一般的な油に比べて4〜5倍程度早く分解されエネルギー源として使用されるため、体内に蓄積されにくいというのが、MCTオイル(中鎖脂肪酸)がダイエットに向くとされる所以です。

健康的と言われる青魚の油やオリーブオイル。例えば、オメガ3多価不飽和脂肪酸に分類されるEPAや、オリーブオイルに含まれるオレイン酸は「長鎖脂肪酸」に属しており、これらの油よりもMCTオイル(中鎖脂肪酸)の方が吸収性が高いと言えます。

長鎖脂肪酸が20時間以上も体内に蓄積されるのに対して、中鎖脂肪酸は10時間以内にほとんどが分解されるという実験結果も出ています。

MCTオイルは熱に弱く、揚げ物や炒め物に使えないという致命的な弱点がありますけどね。

MCTサプリメントゼリーの利用価値

日清オイリオ MCTサプリメントゼリー

さて、ここからはMCTオイルの利用価値ではなく、「日清オイリオのMCTサプリメントゼリー」の利用価値について、僕の個人的な主観を織り交ぜながら紹介していきたいと思います。

先に結論から申し上げると「長距離持久系スポーツの栄養補給として」は優秀なサプリメントだと思いますが、それ以外の優れた特徴はあまり感じられませんでした。

今回、日清オイリオのMCTサプリメントゼリーを評価したのは以下の3項目。

  1. ケトーシスの呼び水として
  2. 運動中のエネルギー源として
  3. コストパフォーマンスの面

それぞれの点について、個人的な感想と評価を紹介したいと思います。

とりあえず、日清オイリオのMCTサプリメントゼリーの栄養表示と使用方法について、日清オイリオの公式ページよりご紹介しておきます。

◆1本(15g)当たり

  • 熱量:60kcal
  • たんぱく質:0g
  • 脂質:6.2g
  • 炭水化物:1.1g
  • 食塩相当量:0.02g
  • 中鎖脂肪酸油:6g

◆使用方法:1日あたり1~3本が目安

◆原材料:MCT(中鎖脂肪酸油)、砂糖、食塩/乳化剤、ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料、香料、甘味料(スクラロース)、調味料(アミノ酸)

ケトーシスの呼び水として

ここ数年のダイエットのメインストリームといえば糖質制限です。その中でもケトーシスを目指すアトキンスダイエットは、体がケトーシスになれば寝てるだけでも体重が減るって事で、多くの人がダイエットプログラムに盛り込んでいます。

そもそも、アトキンスダイエットっていうのは、脳がエネルギー源としてしようする糖質(ブドウ糖)の摂取を極限まで減らす事で、第二のエネルギー源として使用される「ケトン体」を体内に蓄積された脂肪や食べ物の油脂から生成する事で、体脂肪を減らすというダイエットの事です。

この「ケトン体」ですが、一般的な油と比べてMCTオイル(中鎖脂肪酸)の方が約10倍ほど多くケトン体が作り出されるという研究結果が出ています。

そのため、アトキンスダイエットにおけるケトーシスの呼び水としてMCTオイル(中鎖脂肪酸)が効果的であるというのは、ほぼ間違いありません。(呼び水理論は諸説あり)

しかし、このケトーシスですが、アトキンスダイエットのメゾットによると1日の炭水化物摂取量を20g以下にしなければ体がケトン体を生成せず、ケトーシスにならないとされています。

そして「日清オイリオのMCTサプリメントゼリー」の炭水化物量は1本あたり1.1gですから、使用方法通りに1日3本食べたとしたら、それだけて3.3gも炭水化物を摂取したことになります。原材料を見る限り、食物繊維を含んでいるものはなさそうなので、これ全部糖質です。

本気の糖質制限(アトキンスダイエット)をしたことがある人なら理解できると思いますが、1日に20gしか摂取できない糖質のうち、サプリメントで3.3gも摂取してしまうのは痛手すぎますよね。

また、MCTオイルの推奨摂取量の目安ですが、通常は1日30g程度、アトキンスダイエットの場合は1日100g程度とされています(100gの中には食べ物の脂質も含む)。

30gのMCTオイルを「日清オイリオのMCTサプリメントゼリー」から摂取しようとしたら、1本6gですから5本食べる計算です。

ってことは炭水化物を5.5gも摂取してしまうことになりますから、いくらMCTオイルがケトン体を作るのに有利でケトーシスの呼び水になるからと言っても、糖質制限(アトキンスダイエット)には向かないと言えるでしょう。

運動中のエネルギー源として

パッケージにもある通り「良質なエネルギー源」として、「手軽にすばやく食べられるスティックタイプゼリー」というのが売り文句となっています。

最近では、様々なボルダリングジムでもクライマー向けに広告をしているようで、MCTサプリメントゼリーの試供品と合わせて以下のような文章が広告に記載されていました。

パワー戦でもあり、頭脳戦でもあるボルダリング、全身のエネルギーをフル活用するスポーツには、手早く補給できるMCTサプリメントゼリーがベストマッチ!ボルダリング愛好者の皆様、是非お試しください。

と。

基本的に体を作ったり動かしたりする栄養素は「タンパク質(P)」「脂質(F)」「炭水化物(C)」の3種類であり、エネルギー源として使われるのは脂質と炭水化物です。

確かに、MCTオイル(中鎖脂肪酸)は一般的な油(長鎖脂肪酸)に比べて4倍近くの吸収率を誇る上、脳を動かすブドウ糖の代わりにケトン体を体脂肪から生み出せるのは優れていると思います。

しかし、エネルギー源としては糖質の方が圧倒的に優秀です。なぜなら、MCTオイル(中鎖脂肪酸)の分解ピークが摂取後3時間なのに対し、糖質の分解ピークは摂取後30分だからです。

こと、ボルダリングのような短時間で爆発的な力や脳の回転が必要なスポーツに関していえば、現場で手軽に摂取するエネルギー源で最高のパフォーマンスを目指すなら、MCTサプリメントゼリーによるエネルギー摂取よりも糖質によるエネルギー摂取の方が効果的と言えるでしょう。

とりわけ、ブドウ糖を直接摂取するのが理想的といえます。まあ、ブドウ糖では安すぎてしまって商売にならないから、あまり美味しいビジネスとは言えなくなりますけど・・・。

ただし、糖質制限ダイエットで減量中の人が、トレーニング中のエネルギー補給にMCTサプリメントゼリーを使用するというのは理にかなっていると思います。

また、フルマラソンやトライアスロン、他にもサッカーなどの長時間の運動であれば、糖質より脂質のような吸収速度のゆるやかなエネルギー源が理想的と言えるでしょう。

なので、個人的にですが、ボルダリングなどの短時間で爆発的な力や脳の回転が必要なスポーツには、日清オイリオのMCTサプリメントゼリーはイマイチ合わない気がします。

それよりは、ブドウ糖を直接摂取した方が、手軽ですし効率的な気がします。

MCTサプリメントゼリーのコスパ

日清オイリオのMCTサプリメントゼリーの最大の特徴は、MCTオイルが配合されていることではなく、手軽にすばやく食べられるスティックタイプゼリーであることだとは重々承知ですが、やはりMCTオイル(中鎖脂肪酸)あたりの金額は気になるところです。

※2018年3月現在のAmazon価格を参考にしています。

  • 【日清オイリオ / MCTサプリメントゼリー】
    中鎖脂肪酸1gあたり16.31円
  • 【日清オイリオ / 日清MCTオイルHC】
    中鎖脂肪酸1gあたり7.90円
  • 【日清オイリオ / 日清MCTオイル】
    中鎖脂肪酸1gあたり6.98円
  • 【プレミアムマーケティング / MCTオイル】
    中鎖脂肪酸1gあたり5.59円

そもそも筆者としては、MCTオイルはコーヒーとかに入れて飲んじゃうのが最も手っ取り早いと思ってますし、日々のカバンにMCTオイルの瓶を忍ばせておけば、別にゼリーじゃなくてもいいじゃん!っていうタイプなので、金額差的にアリならゼリータイプは便利だと思いますが、流石にこの値段だとゼリータイプは却下ですね・・・。

日清オイリオ / MCTサプリメントゼリー

現在の価格はコチラ
  • 内容量15g×14本で1370円
  • 1本(15g)中の脂質が6.2g
  • 脂質6.2g中の中鎖脂肪酸6g
  • 中鎖脂肪酸1gあたり16.31円

普通にMCTオイル(中鎖脂肪酸)と比べると3倍程度の金額になります。

この金額がアリなのかナシなのか、個々の判断に委ねられると思いますが、僕からすると「MCTオイルを摂取する」という行為にこの金額はちょっと出せないかなぁ・・・という判断です。

1日に30g(摂取量目安)を摂取しようとしたら、500円近い金額になってしまいますもんね・・・。

日清オイリオ / 日清MCTオイルHC

現在の価格はコチラ
  • 内容量200gで1580円
  • 脂質100g中の中鎖脂肪酸100g
  • 中鎖脂肪酸1gあたり7.90円

おそらく、MCTサプリメントゼリーと合わせて摂取して欲しいのであろう、食用油として日清オイリオが販売している中鎖脂肪酸100%の純粋なMCTオイル 。

他のブランドが出している中鎖脂肪酸100%のMCTオイルと比べると若干高価ですが、ゼリータイプの半分近い金額なのは魅力的です。

日清オイリオ / 日清MCTオイル

現在の価格はコチラ
  • 内容量400gで2570円
  • 脂質100g中の中鎖脂肪酸92g
  • 中鎖脂肪酸1gあたり6.98円

日清オイリオが販売している脂質100g中92gが中鎖脂肪酸な廉価版のMCTオイル。

プレミアムマーケティング / MCTオイル

現在の価格はコチラ
  • 内容量250gで1398円
  • 脂質100g中の中鎖脂肪酸100g
  • 中鎖脂肪酸1gあたり5.59円

筆者が個人的に使用しているMCTオイルはこれ。日清オイリオのMCTオイルHCと同じ脂質100g中100gが中鎖脂肪酸という純粋なMCTオイルですが、廉価版よりも安いというコスパ優秀な逸品。

MCTサプリメントゼリーの1/3の金額で買えますから、やはりMCTサプリメントゼリーは高すぎて日々使用するサプリメントとしてはランニングコストに耐えられないと思います。

まとめ

というわけで、今回の「日清オイリオのMCTサプリメントゼリー」の総評というか、個人的な感想やレビューについて、まとめたいと思います。

  • ヨーグルト味で運動中に食べやすいのは素敵
  • 糖質制限(アトキンスダイエット)には不向き
  • 糖質制限中のスポーツにおけるエネルギー源としては優秀
  • 糖質制限導入時の脳が回らない感覚を改善するには効果的
  • 短時間瞬発力系のスポーツのエネルギー源には不向き
  • 長距離持久力系のスポーツのエネルギー源には理想的
  • 日々の健康食品として利用するには高価すぎる
  • 食用油としての日清MCTオイルHCも高価すぎる

という感じです。

金額が中鎖脂肪酸1gあたり10円を切り、炭水化物が0.1g未満になれば、かなり優秀なサプリメントだと思うのですが、流石にそれは求めすぎというものかもしれません。

僕からは以上です。

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仕事そっちのけで記事を書いた人

仕事なんてただの暇つぶし、本業はクライミングとスニーカー集めです!夢はでっかく世界征服!あー、高級車に乗ってタワーマンションの最上階から一般人を見下ろしたい!よろしくお願いします!

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