ボルダリングジムで登っていると、日本語があまり上手ではない外国人の方が登っているのを見かけます。それに、東京オリンピックではクライミングが正式種目になるらしいので、ふらっと立ち寄った日本のジムでアダムオンドラとかサーシャジュディリアンとかに遭遇するかも?
そんな時、「ガンバ!」とか「惜しい!」とか「強い!」とか、声援を相手に伝えるにはどうすればいいの?ってなわけで、ボルダリング大好き勇太くんと、僕のデスクの隣にいる英語ペラペラ帰国子女のアキラくんの2人で、クライミング中の英会話(超簡単バージョン)について考えてみました。
木々や畑に囲まれた田舎でボルダリングしている人はどうか知りませんが、新宿ど真ん中のジムでボルダリングしている僕クラスになると、日本語がほぼ話せないレベルの外国人クライマーとボルダリング中に仲良くなったりしてラインIDまで交換しちゃうくらいになっちゃうんです。
っていうかですね、こんな鮮やかな髪色のモヒカンを、海外赴任中とかのクライミングジムで見つけたら話しかけますよねそりゃ。通勤途中とかでも知らない外国人に道聞かれる率が異常に高いですもん。単純に視界に入った時に目立つからでしょう。
さてさて、外国人に話しかけられやすいという特殊能力を持った僕ですが、外国人と話す能力は高校生レベルで止まってます。いや、厳密にいうと高校受験で勉強した以降はサボりまくってたので中学生レベルで止まってます。ごめんなさい、正直にいうと、中学生レベルで止まっているというより中学生の頃から英語のことなんて考えてないので完全に退化してますよね。
でもクライマーの皆さんならわかると思います。自分と同じくらいのグレードを登っている言葉の通じない外国人が、自分も難しいと思ってたルートの核心部分でモジモジして、「ガンバ!ガンバ!(ああ、そこアンダーに持ち替えたら行けるのに・・)」って思う時!!
別に英語ペラペラで会話できなくてもいいけど、「あ、あうあうあうあー」ってなっちゃうのはやだなー。単語だけでも知っておけば、なんて思う前にちょっとだけ覚えておきませんか?
ボルダリングジムで、様々な外国人に話しかけられるたび「あうあうあー」ってなってた僕ですが、とりあえず以下の3つを覚えたらヘラヘラ笑いながら過ごすことができるようになったので、急にボルダリングジムで外国人と遭遇したらどうしよう!なんて思ってる人は覚えておきましょう。
ガンバはぶっちゃけ、ガンバ!ガンバ!って心を込めて言えばだんだん通じるようになっていきます。ここ日本ですし。でもイングリッシュで言いたいんだ!って人は以下の中から好きなのを選びましょう。
これはもうそのままNice(ナイス)なんですけど、だいたいナイスって日本人にいうときは、「そこでトゥーフックとかおしゃれ!」だからナイスだったり、「なにそのフラッギング上手い!」だからナイスだったりしますよね。というわけでナイスにもちょっとパターンを設けたので、以下から好きなのを選んでください。
あー惜しいなー!って思う時もありますよね。これもまあ、手前の核心で惜しかったのか、ゴール取りで惜しかったのかで結構違ってきますよねニュアンスが。
だいたいジムで話しかけられる時って、ムーブとか課題とかに対する質問なことが多いです。あとは「さっきの課題みてたよ!最後のムーブが良かった」みたいな感想を話しかけられるので、ほとんどサンキューで対応可能です。
でも、外人さんが困ってるときや、相談してくるみたいなケースも多いですよね。僕の場合は特にこれが多い。
これ、マジ困ってる外国人多い。っていうかこれを聞かれて困ってるジムスタッフも多い件(笑)。一番多いのは、足自由の課題を足限定風に登ってしまい、登れなくて困ってる外国人クライマーですかね。
足自由だよ!って教えるときは「Any feet(エニフィート)」。足限定だよ!って教える時は「Tracking(トラッキン)」ですが、困ってる外国人がクライミング初心者だったら「feet follow hand(フィートフォローハンド)」って言った方が伝わりやすいだろうとのこと。
後者が「足限定」なら、前者は「足限」みたいな感じだと思います。
両手で保持する時は、日本人もよく使ってる「マッチ(Match)」で大丈夫。
で、よくあるのが、そのスタート違うんだよなー!って時。スタートが左右別な時もそうだし、使っちゃ行けないホールドや壁を使ってしまってる時です。そんな時は「It’s different(イッディファレント)」で行きましょう。それ違うぜ〜って感じです。
おそらく、課題の登り方で困ってるっぽいんだけど、どの部分でなにを困ってるのかさっぱり聞き取れねーよもっとゆっくり喋ってくれよ、でもゆっくりでも英単語がわかんねーから無理だわ!みたいな時。最後の手段と言えるのが「I’ll show you(アイルショーユー)」です。
要するに、見せてあげるね!みたいな感じです。ちなみに「ちょっと見せてくれよ!」みたいな感じで話しかけられたときは「Just watch me(ジャスワッチミー)」が良いと思います。ま、見てろって。みたいなニュアンス。
初めて言ったボルダリングジムで、初めて会った外国人が急に距離を詰めてきて、3時間くらい一緒にクライミングするってだけなら、ここまでに登場した英単語を覚えておけば大丈夫でしょう。
しかし、自分が月パスで通ってるジムに外国人が月パスで通い始めた場合どうでしょうか?「あ、このジャパニーズ、ナイスとオルモストしか言わへんやん、あかんやん」って思われるかもしれませんよね?というわけでここからは、上述の英単語を出し尽くしてしまってそろそろ新しい言葉を発したいクライマー向けの単語をご紹介して行きます。
例えば、マッチはマッチのままで通じますが、キョンは英語じゃないので伝わりません。意外と思われるかもしれませんが、ランジも伝わらないんですよ?意外とクライミング用語て和製英語というか流行り言葉的な側面があるので、これらの英単語も覚えておけば、たどたどしくもクライミングっぽい会話が成立できます。
これ、知っておかないと説明もできなければ、相手が何を話してるのかさっぱりわかんない時があります。でもまあクライマー同士ならジェスチャーでなんとでもなるため無理して覚える必要はありません。
これは覚えておくのがおすすめです。でも、「次のガバを右手でとってー」みたいな時は、「次のホールドを右手でとってー」って伝えればいいので、そこまで重要とは思えませんが、この辺りを使いこなしてくると、クライマーと英会話してるわーって気分になります。
外岩に行く人しか使いませんが、意外と外国人から「御岳ってどんな岩質なの?」みたいなことを聞かれたりするので、これも覚えておければ特ですね。
ここからは、特に外国人クライマーと一緒にクライミングしているときに使いたい言葉をまとめておきます。ここから下の言葉を使いこなし始めると、もはやここが日本じゃなくて海外のジムなんじゃないかと錯覚し始めるクラスです。
クライミング中の外国人に「そこ!踏み替えたほうがいいよ!」とアドバイスしたい場面もあるでしょう。そんな時に使える言葉をまとめました。単語ではない事が多いので、パターンを覚えて使ってみましょう。
外国人とクライミングしてれば、一方的に言葉をかけるだけでなく、今自分の身に降りかかった災難(という言い訳)を伝えたくなる事もあるかと思います。こういった言葉が使えるようになると、なんだか国際交流してるぜ!って気持ちになりますね。
ちなみに、頭にSoとつけるとさらに強調できるので、あのホールドが悪いっていうときは、バッドというよりも、ソーバッドっと言ったほうが「マジあのホールド悪すぎてパネエ!」みたいなニュアンスになります。
ソーの長さによって強調度合いが変わりますので、もっと強調したいときはソーーーーーーーーーバッドって言いましょう。
あらやだ、あの課題を登ってる外国のお方、素敵じゃない?声かけちゃおうかしら?でも、私ってあまり英語が得意でなくってよ。どうすればいいのかしら。
そんなあなたにとっておきの呪文をご紹介しましょう。
おすすめの状況はコレ!ターゲットとなる外国人クライマーがなんども同じ課題に挑んでいるが、あと一歩というところで核心のホールドが止められない。少しレストして、さあ次のトライだと立ち上がった!その刹那に
Hang in there(ハンギンゼァー)
です。
この言葉は、頑張れという単純な意味だけではありません。通常の頑張れよりも、もっともっと強い意味が含まれており、いわゆる「you can do it(お前ならできる!)」みたいなニュアンスを含んだ頑張れなのです。
諦めそうになったとき、負けそうになったとき、おいおいあんなスローパー止めるの無理なんじゃね?って心が折れそうになっている外国人クライマーの心に染み入る理想的な応援の言葉なのです。
では、ここまで読んでくれたクライマーに一言。
英語勉強してる時間があるなら、1本でも多く課題に取り組んだ方が強くなれると思うよ?ガンバガンバ!w