先日、将来のサッカー日本代表を牽引していくであろうFC東京の久保建英が16歳9ヶ月10日という若さでJ1公式戦初ゴールを決めた。
日本は若手の台頭が海外に比べて遅いと言われてきていたが、最近になってやっと「10代」の選手たちが「大人」を脅かす存在になってきたように感じる。
しかし、世界に目を向けると「久保建英のような存在」は珍しい存在ではない。
その珍しい存在の一人に、ブラジルでは新ネイマールと呼ばれている選手がいる。
その名もヴィニシウス・ジュニオール。久保の一個上に当たる17歳である。
欧州のビッグクラブが17歳のブラジル人アタッカーの才能を巡って壮絶な獲得争いを繰り広げ、スペインの名門であるレアル・マドリードが約57億円の移籍金を提示して獲得に成功。
ブラジルではすでに「新ネイマール」とも言われているヴィニシウスとはどんな選手なのか、ヴィニシウスのプレースタイルについて書いていこうと思う。
クラスメートにこんな17歳がいたら思わず敬語を使ってしまいそうなほどしっかりとした体格をしているヴィニシウス。
数年前から「今世紀に発掘された最高のジョイア(宝石)」と言われてきたほどの逸材だ。
2000年に生まれ2005年には(当時5歳)かつてジーコやロナウジーニョも所属していたブラジルの名門CRフラメンゴユースでキャリアをスタートさせた。
フットサルで磨いたテクニックで、常に上の世代のカテゴリーでプレーしたきたヴィニシウスは13歳でU-15ブラジル代表に選ばれた。
U-15南米選手権では6試合6得点の大活躍。年下にこんなに活躍されたら、僕は同じチームでも嫉妬していじけてしまうかもしれない(笑)
勢いそのままにU-17の南米選手権では9試合7得点で大会MVPと得点王。
これだけの活躍をすればネイマール同様、欧州から注目されるのは当たり前だ。
バルセロナとレアル・マドリードが争奪戦を繰り広げることになったが、レアルがバルセロナの提示した移籍金約38億円を上回る57億円で獲得に成功。
年俸は約9億4000万円らしい。17歳でもう大金持ち。なんか悔しい。
ヴィニシウスは現在はブラジルのCRフラメンゴのトップチームでプレーしているが、規定により、欧州クラブが外国人選手と契約可能な18歳になる来年7月から移籍する事ができる。
このままいけば将来のブラジル代表を背負って立つ存在になることは間違いない、ブラジルサッカー界期待の新星である。
本名:ヴィニシウス・ジョゼ・パイション・デ・オリヴェイラ・ジュニオール
国籍:ブラジル
生年月日:2000年7月12日
年齢:17
身長/体重:177cm/62kg
ポジション:FW
所属チーム:CRフラメンゴ
背番号:20
利き足:右足
レアル加入が内定した「新ネイマール」ことヴィニシウス。
彼のプレースタイルは、左サイドでテクニックとスピードを駆使して中に切り込んで行くスタイル。
テクニックに関しては、ネイマール同様にトリッキーなプレーを好む選手。
ヒールパスや、相手の股を通すプレー、そして何よりシャペウ(相手の頭上を越すドリブル)は結構多用している。
しかし、彼はまだ17歳。
トリッキーなプレーを「やりたがり」なイメージはある。上の動画を見ていても確かに上手いが、要らないプレーも多い。
シンプルにやるべきところはシンプルにプレーすべきだし、欧州では認められにくいプレースタイルだ。
ただこれに関しては、昔のネイマールやクリロナと同じで、トップクラブに行ったら改善されると思うのでそんなに問題視しなくていいかなと。
ただそれ以上に、僕が初めてヴィニシウスのプレーを見てびっくりしたのは加速力と初速の速さである。
ドリブルをしていても、最初の1歩で相手を完全に置いていっている。その為、縦への推進力はかなりものだ。
味方が出したパスが少し長く感じてもヴィニシウスは簡単に追いついてくれるし、自陣エリアでボールを持ったら簡単に相手のバイタルエリアまでボールを運んでしまう。
この加速力とスピードは、今でも欧州トップチームで通用すると思うし、スピードに関してはネイマール以上だとも思う。
しかし、17歳の神童にあえて言わせてもらうなら、精度に関してはまだ課題だ。
相手を抜き去った後の味方へのラストパスや最後のフィニッシュがまだまだに感じる。
これから欧州トップリーグで活躍していくためには、パスにもう少し磨きをかける必要がある。
ドリブルだけでなくパスも警戒されるようになれば、本当にネイマールのような危険な存在になれるに違いない。
いろいろ調べていると、17歳の時のネイマールと17歳のヴィニシウスの比較動画を見つけた。
先ほども言った通り、ヴィニシウスのプレースタイルは、左サイドでテクニックとスピードを駆使して中に切り込んで行くスタイル。
「新ネイマール」と呼ばれるだけあって確かにプレースタイルも似ているが、正直ネイマールが出てきた時のほうが衝撃的だったというのは否めない。
テクニックやプレーの精度、そして判断力に関しては、17歳の頃のネイマールの方が群を抜いている。
これらはこの動画でも顕著に現れている。
まだまだ荒削りなプレーが多いヴィニシウスだが、一瞬で相手を抜き去る縦へのドリブルは一級品。
先ほども言った、精度の部分をもう少し高めていければ、相手にとって怖い選手になることは間違いない。
これからレアル・マドリードでトップレベルの選手たちとの競争が待っているわけだが、その才能が開花する日は来るのだろうか。
将来が楽しみな選手、ヴィニシウス・ジュニオールという名前を覚えておいて損はしないだろう。