サッカーの醍醐味はゴールということもあり、ゴールした選手がフィーチャーされがちなサッカーというスポーツだが、実はチームを助けている黒子のような存在の選手もいる。
そんな選手の一人がレアル・マドリードの10番を背負うルカ・モドリッチ(以下モドリッチ)ではないだろうか。
サッカー選手の中でも華奢な体格ですごく身長が高いという訳でもない選手だが今や世界最高のMF(ミッドフィルダー)と言われるまでに成長。
モドリッチとは一体どんな選手なのか、何を持って世界最高と言われるまでになったのか。
名刺の肩書きはサッカー選手のアキラが中盤を支配する最高のMFモドリッチのプレーの凄さについて書いていく。
長い髪の毛をなびかせながらのプレーがトレードマークのモドリッチ。
個人的にも好きでいつもお手本にしている選手であり、僕みたいな天パで小柄で華奢な選手でも目指せる選手だ。
モドリッチのプレーは一言で言うと「華麗」。何か派手なことをするわけではないけど、難しいプレーを簡単にこなす。そんな彼を見ていると「あ、なんだ、サッカーって簡単なんだな」とすら思ってしまう。
ちなみに、小さな魔法使いとも言われているモドリッチはとにかく頭が良い選手であると言える。
2010-11シーズンのプレミアリーグでアシストとインターセプト数でリーグトップ3に入り攻撃と守備の両方で貢献していることから「替えの利かない選手」と言わしめるまでになり、現在もクロアチア代表とリーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)の名門レアル・マドリードで攻守の要として活躍している。
本名:ルカ・モドリッチ(Luka Modric)
国籍:クロアチア
生年月日:1985年9月9日
年齢:32
身長/体重:174cm/65kg
ポジション:OMF(オフェンシブミッドフィルダー)・CMF(セントラルミッドフィルダー)
背番号:10
利き足:右足
着用スパイク:マーキュリアルヴェイパーXI FG
何回も言うが、僕はモドリッチの大ファンであり目標としている選手。つまり彼のプレーが大好き。
僕が彼のプレーが好きな理由としては、めちゃくちゃ頭を使ってプレーしているから、これに尽きる。
当たり前だがヘディングばっかしてるってことではない。常に「考えている」という事。
体の線は細いものの、それを頭の良さ(サッカーIQ)とテクニックでカバーできている選手、というのが言える。
僕がモドリッチのここが凄い!として注目している点・見習いたい点は大きく見てこの3つ。
説明もするが下の動画はモドリッチの巧さが凝縮されているのでぜひ見て欲しい。
モドリッチのポジションはチームの真ん中、所謂「チームの心臓」とも言われているCMF(セントラルミッドフィルダー)というポジション。
そんな彼が試合においてボールを取られるシーンをあまり見ることは出来ない。それはなぜか?
モドリッチは中盤で複数の相手選手に囲まれた場面において逃げ道を作るのが非常にうまい。
例えば動画の1分30秒からのプレーを見て欲しい。最初に大きな上体フェイントで相手を右にずらしている。そのあとに前に相手が飛び込んでくるのをかわしながら横に流れてパスを出す。
最初のフェイントがなければ囲まれてしまっていたかもしれないが、簡単な大きなフェイントを入れることで横に流れる脱出経路を見つけている。
本人はもう体に染み付いているかわし方なのかもしれないが、あの密集地帯で冷静にあの1フェイントを入れるところはさすがとしか言いようがない。
渋谷のスクランブル交差点を渡るのは得意だろう。
モドリッチはパスの名手でありレアルの攻撃の起点となる事が多い為、相手選手は当然彼のパスを警戒する。
モドリッチはその相手選手の心理を利用する。
その為すぐパスに逃げずに、あえてボールをキープしてドリブルを開始する時もある。
相手からしたら、「いやおいパス出さへんのかい!」となってしまうのである(笑)
モドリッチはそういうプレーを繰り返すことで相手に次のプレーを読ませないように駆け引きをしているのだ。
しかも試合中ずっと。
先ほど説明した1分30秒からのシーンでも囲まれた時にすぐパスを出さないで横に逃げることで相手を引きつけると言った細かい駆け引きをしている。
ボールを持って相手を引きつけてからパスを出すことで味方二人がフリーでボールをもらえているのがわかる。
味方の状況と相手の状況を瞬時に判断して駆け引きするモドリッチ、いやはや素敵である。
駆け引き上手なモドリッチだが味方からパスが来た際のファーストタッチでも駆け引きをしている。
相手に囲まれていても、相手の重心をよく見て逆にボールをトラップ、相手が絶対に届かないところにボールを置いて自分の体でブロック。
例えば、動画の1分40秒のプレーを見ればその上手さはすぐにわかる。
最初に浮いたボールをコントロールしてからターンするまで相手の15番が絶対に届かないところに常にボールをキープしている。そして、次に後ろから来た選手にも腕と体を使って足も出させていない。
また、7分51秒の反転プレーなんかを見ると分かるように、相手が寄せて来るのを分かって相手から遠い方にボールを置いているのがわかる。
ボールを正確にそこに置く技術もそうだが、パスをもらう前に周りをよく見れているという視野の広さも見習うべき選手だ。
子供の頃は教室でキョロキョロしてよく怒られていたのではないだろうか(笑)
モドリッチはピッチを上から見ているのではないかと思うほど味方の位置と相手の位置を把握している。
その為、味方からパスを受ける「フリ」をして全く触らないプレーをよくしている。サッカーでは「スルー」と言われるプレー。
ウイイレでいうなら、トラップする瞬間に左スティックを離してL1とR1を長押しだ。
パスを受ける「フリ」をしているのがすごく重要で、相手はモドリッチがボールを受けると思っているのでボール奪取を狙っている。その為モドリッチの周りには自然と敵が寄ってくる訳だが、彼は来たボールを無視(スルー)してしまう。
もう相手からしたら「いやおい、お前触らへんのかーい!」ってなるのである。
例えば動画の中の3分30秒からスルーのプレーが連続で何個か出てるので見てみるといい。思わず、うまい!あ、そこにいるのわかってたんだ!ってなるはず。
モドリッチは元々攻撃的な選手だったが中盤の選手として守備力の高さにも定評がある。
攻撃面では相手の間をスルスルと抜けて行く選手で激しさは全くないが、守備面では激しく相手のボールを奪いに寄せていく。そういうギャップも素敵だが、モドリッチの守備の何が評価されているのだろうか?
モドリッチはインターセプト数で常にリーグの上位にいるくらいサッカー選手の中でもインターセプトの上手さは一級品である。
インターセプトとは、相手のパスをカットするプレーのこと。
インターセプトをするには相手のパスの軌道を読む力だったり相手が何を考えているかを読む力が必要になる。
そこでモドリッチは、あえてパスコースをあけてポジションをとり、相手がパスを出した瞬間にパスコースに現れて相手のパスをかっさらう。
相手の位置をはっきり把握したうえで、パスがスペースに出るのか、それとも相手の足元に出るのかを読んで一気にかっさらうので、相手からしたら「え、いやおいそこにいたの!?」ってなるのである。
攻撃の時だけでなく守備の時もピッチ上を上から見ているかのようなポジショニングと鋭い読みで相手の攻撃の芽を摘み取るモドリッチ。
この事からもモドリッチはサッカー選手の中でも頭を使って守備をしている選手というのが伝わる。
守備は攻撃の始まりという言葉があるように、サッカーではボールを奪ってからが大事と言うが、モドリッチはそれを十分に分かっている為、一瞬で味方の位置を確認して決定的なパスを出すプレーをいとも簡単にこなす。
奪った後にパスを出すくらいなら誰だって意識しさえすればできるかもしれないが、モドリッチがしているのは奪った後のパスがその状況で一番最適な選択なのである。
例えば、動画中の2分4秒のプレーは奪った後に一気にロングパスでチャンスを演出。そして次のプレーも奪った後にチャンスとなるスルーパスを出している。
7分40秒のプレーに関しては、奪ってから相手をかわしフリーの選手にパスを出すところまでしている。
これらのような判断の質の良さがモドリッチの巧さである。
最後にモドリッチを語る上で欠かせないのがキックの種類の豊富さである。
モドリッチはボールをミートする技術がプロ選手の中でもずば抜けている。
長いパスも短いパスも両足で正確無比に蹴ることができる、所謂パスでリズムを作る選手。
ではモドリッチはそのキックの豊富さをどう生かしているのだろうか?
モドリッチは球離れがすごく良い選手。球離れとは、ボールを持ちすぎない、パスを出せる状況であればパスを出す(無理にドリブルしない)ということ。
相手が周りにいない状況でも「そのパス交換意味あるの?」って思うくらいすぐにパスを出す。
このようなプレーをサッカー界では「一回当てる」なんて言うが、その動作を繰り返しながら決定的なパスをするチャンスをうかがっている。
ずっと繰り返しているとボールを奪い返したい相手選手が寄って来るが、相手が食いついてきたところで、一気にギアを上げてチャンスとなるロングパスを正確に出す。
もちろん最後が正確でなければ意味はないが、浮かせたボールも転がしたボールもピタッと味方の足元に収まる。
ボールを奪いに行きたいけど、行ったらチャンスのボールを出されるという恐怖を感じてるうちに、ジリジリと少しずつ相手のゴール前に侵入していくのだ。
さて、パスを警戒しているうちに相手のゴール前まで侵入していくと書いたが、パスばかりを警戒していたらミドルシュートを打ってくる。相手からしたら厄介な選手である。
しかも、そのシュートまでが正確となると相手はどうすればいいのか分からないだろう。
インサイドでコースを狙ったミドルシュート。そしてインステップで強烈な無回転シュート打ってくる選手。
何回も言いますが、彼のボールをミートする技術は一級品。
例として動画の6分くらいからのシュートを見てもらえれば、シュート時のミートの巧さはそれだけで分かる。
そしてモドリッチの代名詞と言っても過言ではないのがアウトサイドパス。
足の外側でボールを蹴るこの技術は、膝から下の振りのシャープさがかなり重要になってくるが、モドリッチはいとも簡単に遠くまで飛ばしてしまう。
このキックは脚の筋力ではなくボールをミートする巧さによってボールに力を伝えることができる技術。
モドリッチは足首が異常に柔らかいそうだが、このパスの仕方を見ているとそうなんだろうなぁと感心してしまう。
アウトサイドパスが使えることによって、広い角度でパスコースを持つことができ、尚且つ相手が予期しないタイミングでパスを出すことが出来る。
動画でも5分13秒から連続でアウトサイドパスをしているシーンがあるのでぜひ見て欲しい。
この人はパスをカットされるかもしれないという恐怖はないのか。失敗を恐れずに淡々とアウトサイドでパスしまくるモドリッチ、あぁもう素敵だ!!
モドリッチが所属しているレアルマドリードは、バルセロナという強力な永遠のライバルがいる。
そしてそのバルセロナの中盤を支配しているのが、モドリッチと同じ代表チームでプレーするラキティッチという選手。
実はモドリッチとラキティッチはすごく仲がいいそうで、モドリッチはラキティッチにもレアルマドリードに来てほしかったと言っていたほど。
ライバルチームであるだけで不仲説が出てしまわないように結構気を使ってるそう。
実際、この二人がいるクロアチア代表はめちゃくちゃ強い。
モドリッチがプレミアリーグで活躍した2010-2011シーズン終了後、次のシーズンはチェルシーに移籍するのではないかとの噂でサッカー界は持ちきりだった時の面白い記事を見つけた。
というのも世間はモドリッチの移籍話よりも、モドリッチが誰々とそっくりすぎるという話で盛り上がっていたようだ。
こちらがその記事。
記事自体は短いが、たった5行でまぁそれなりの言われよう。
簡単にいうと「今年の夏はクロアチアのプレイメーカーであるルカ・モドリッチがチェルシーとの契約を望んでいるという話で持ちきりだったが、私たちはゲイルマッキンタイアに不気味なほど似ているというもっと重要なことへの煙幕だと感じる。」
ゲイル・マッキンタイアの他にも若い時のバリー・マニロウ、ヨハンクライフ、デヴィッドゲッタ、Inbetweenersという映画に出てくるキャラクターの中のジェイ、そしてメリル・ストリープも紹介されている。
んまぁ… 確かに似てないこともないが…(笑)