日本に入って来るやいなや、イタ飯ブームやスペインバルブームに乗っかり、一躍スターダムを駆け上がった生ハム。日本人は昔からハムといったらスライスハムか明宝ハムだっていうのに・・・。
何が生だよ生意気だぞ!
と、思ったので、この生ハムとかいう海外かぶれのイキリハムの鼻っ柱をへし折り、アイデンディティを崩壊させるために、煮たり焼いたりして生じゃない普通のハムにしてやろうと思います。
生ハムの生ってのは、食品衛生法における「非加熱食肉製品」っていう規定に適合しているから「生」という表示をつけても良いよ!よいうことになっているらしい。
この、非加熱食肉製品という規定は一般的な加熱による殺菌は行なっていませんが、だからと言って全くの非加熱とも限らないんだそうで、くん煙又は乾燥は、肉塊のままで、製品の温度を20℃以下又は50℃以上に保持しながら、水分活性が0.95未満になるまで行わなければならないとされています。
ただし、最終製品の水分活性を0.95以上とするものにあっては、水分活性はこの限りでなく、製品の温度を50℃以上に保持しながらくん煙又は乾燥を行う場合にあっては、製品の温度が20℃を超え50℃未満の状態の時間をできるだけ短縮して行わなければならないという規定だそうです。
ま、要するに、燻製するか塩漬け乾燥するかのどちらかを行なって、加熱をしなかったハムのことを「生ハム」というわけですな。
でもお前が「生」を名乗れるのは今日までだ、今からお前を加熱してただのハムにしてくれる!!
というわけで、躊躇なく生ハムをフライパンの上で踊らせました。生まれてこのかた「ナマ」という言葉にあぐらをかいて生きてきた生ハムですが、加熱されるフライパンの上ではなすすべなく変色していきます。
完全にこんがり焼き色が付いています。
完全に生ハムの自己同一性が崩壊したところで、皿にあげてテーブルへ。そう、お前はこの瞬間から生ハムではなく焼きハムになったのだよ!!ザマアミロ!!
うお!パサパサだ!でも、噛めば噛むほどに濃厚な旨味と濃いめの塩味が滲み出してきて、これは・・・これで・・・。 |
なんか、こういう食感のチーズありますよね。パルミジャーノレッジャーノでしたっけ?あれみたいな食感ですけど、これ塩分強いっすね!でも塩かけたりしてないんですもんね!生ハムって食べ過ぎると血圧上がりそうですね(笑)あー、シャンディガフ飲みたい! |
何が一丁前の顔してシャンディガフだよ。 |
焼かれて終わりだと思ったかもしれないが、それだけでは生温い!貴様には本当の地獄というものを見せてやる!
そう、日本人がこよなく愛するボイルされたスライスハムと同じ、いや!ペラッペラのボイルハムという用無しへと墜としてやろうぞ!!
ほ〜ら、だんだんナマじゃなくなってきたぞ!塩漬けによって殺菌されてたかもしれないが、加熱によりその殺菌状態もより強固なものになっていくぞ!
さあ、完成だ。生ハムなんて贅沢な名だね!お前は今日からハムだよ!!
生ハムの味が全部抜けてしまって、なんていうかカップラーメンに入っているなんちゃってチャーシューみたいな感じに・・・ |
確かに全く味がしないですね。食感もなんかパサパサですし。 |
これだけ生ハム自体の味がしないということは、お湯の中に旨みや味が溶け出してるとみた!! |
さすが勇太さん!普段から料理してるだけありますね! |
この汁・・・うまし!!超うまし!!なんだこれ、生ハムで出汁が取れるのかよ!生ハムの値段を考えるとコストがすごすぎるが、高級中華料理店とかで出てくるタイプの贅沢な味がするぞ!! |
これ・・・ヤヴァイうまいですね!!あっさりしているのに、コクや旨みがあって・・・飲み会のシメとか二日酔いの時とかに飲みたいやつです!! |
焼くとベーコンのようになり、煮ると出汁が異常に美味しいという事が判明しました。
っていうかこの生ハムから取れる生ハム出汁の美味しさは衝撃的であり、僕の人生はこの「生ハム出汁以前と以降に別れる」と言っても過言ではないほどにセンセーショナルな体験でした。
まじエモい。
正直、焼くのはオススメしません。焼きハムにするくらいなら生ハムのまま食べたほうが美味しいです。ただ、出汁を取るというのは、かなり贅沢ですがアリだと思います。
結論!生ハム出汁は尊い!