「普段どんな曲聴くの?」合コンやキャバクラで良くある他愛もない日常会話ですが、とりあえず失敗しないよう聴きもしないのに「ミスチル」って答えてる僕です。
確かに、ミスチルって「日本人アーティスト」として、音、声、歌詞、と素晴らしいグループだと思いますが、サブカル的音楽ジャンルにも、世界に誇れるアーティストって沢山いると思うんです。
特に僕の大好きな「テクノ・エレクトロニカ ・ブレイクビーツ・ヒップホップ・アンビエント・グリッチノイズ」といったジャンルのの中から、もっといろんな人に知ってもらいたい!っていう日本人アーティストをご紹介します。
中田ヤスタカや石野卓球も素晴らしいけど、たまにはもう少しマイナーなアーティストも聴いてみませんか?きっと、新しい音楽体験があるはずです。
今回僕が紹介する中では、かなりの確率で「知ってる・好き・聴いてる」という人に出会う「ヌジャベス」。ずっとヒップホップのラップミュージックばかり聴いてた僕に、歌詞が無くても良い音はあるってことを気がつかせてくれたアーティストです。
もし、知らない人がいたら是非聴いてください。僕がNujabesの楽曲で最も好きなのはYusef Lateefの「Love Theme From Spartacus」を元ネタにした「The Final View」という曲です。
コムデギャルソンのパリでのファッションショーで音楽ディレクターを勤めたり、アニメ「サムライチャンプルー」に楽曲を提供したりと、様々な場面で活躍。残念ながら2010年に交通事故で亡くなりましたが。
そういえば、テニスの錦織圭選手もヌジャベスが好きって言ってましたね。ジャンルはヒップホップになりますが、ヒップホップ畑以外の音楽好きの方がヌジャベスを好きなアーティストに挙げる人が多い気がします。
抜群のサンプリングセンスと、叙情的な音作り、ループミュージックの魅力や可能性を最大限に引き出して表現してるとまで称されたアーティストです。
僕が何も知らなかったころ思っていた「DJなんて、再生ボタンをポチって押して立ってるだけでいいじゃん!」っていう思い(本当はそんなことないんだけど)を完全に音楽で論破してくれたのがこのHIFANAというコンビです。
俗に打ち込み音源と揶揄される場合、プログラミングやシーケンスを使って音楽を鳴らすわけですが、HIFANAはサンプラーのパッドを叩いてリアルタイムにリズムを作り、そこにスクラッチやパーカッションを乗せていくというスタイルで、完全に「楽器」として音を鳴らします。
日常に潜む様々な聞き覚えのある音や声を使って、独特な世界観を作りだすセンス良すぎな2人。様々な音に敏感な人ほど、HIFANAの音を面白いと感じられるはずです。
音楽も良いですが、パフォーマンスもすごく良くて、聴いてよし見てよしなところも素晴らしい。平成17年には文化庁メディア芸術祭優秀賞も受賞してます。
日本では「世界で最も有名な日本人テクノDJ」として紹介されることも多いケン・イシイ。日本ではテクノ・ゴッドという愛称でこのての音楽ジャンルファンたちから愛されています。
2017年には世界最高峰のEDMの舞台と言える「Tomorrowland」に出演。東京で行われたNintendo Switch Presentationでも演奏を行うなど、まさに日本を代表するミュージシャンですが、もちろんMステとかには出てきませんから、知らない人も多いです。
僕にとっても、テクノポップではないいわゆるテクノというジャンルに足を踏み入れるキッカケになった音がケン・イシイです。ぜひ、テクノ入門編として、このてのジャンルを聴いたことのない人にも聴いてほしいと思います。
すごくインテリジェンスな音作りで、未来的で無駄が一切ない音楽が特徴かと思います。雑音が限りなく少ないクリアな世界が広がり、ずっと聴いてられる心地よさと踊れる高揚感が同居しています。
国産アンビエントの最高峰と言っても過言ではないと思います。
特に1999年発表の、随所に日本を散りばめたアルバム「sakura」は『ブライアン・イーノの再来』とイギリスのメディアで絶賛され、あのビョークやレディオヘッドのトムヨークなどもファンだと公言しているほど。ちなみに、ブライアン・イーノというのはアンビエントの始祖みたいな人です。
横田進の音楽の魅力は何と言っても、印象的な旋律であると思います。無駄のないシンプルでクリアな音作り、まるで音楽そのものが儚く空間を漂っているかのようなメロディが素晴らしいです。
まさに希代のメロディーメーカーというのふさわしい。そして、どこか切なさも感じさせるような浮世離れした孤高性も、他のアンビエント奏者にない横田進特有の音だと思います。
まさに希代のメロディーメーカーというのふさわしい彼ですが、残念ながら2015年に病気療養の末に亡くなっています。
2chなどでは「日本のビョーク」と呼ばれているツジコノリコ。フランス在住であり、現地では「エレクトロニカ界の歌姫」なんて称されています。
聴けば、その意味がわかると思います。
一般的にインストゥルメンタルが多いエレクトロニカというジャンルは、歌うには難しすぎるリズムやメロディーなのですが、それをうまく乗りこなし、さらに奥深い世界へと発展させているのが彼女の魅力ではないでしょうか。
浮遊しているような声質、ある種拒否されているかのような不思議な声、そして独特の記号性を持った歌詞はまるで暗号のように難解でありながらも、一つ一つの言葉に淡く共感してしまう。歌詞が聞き取れずとも、歌詞だけを読んだ時と感想が似通ってしまうのも不思議です。
虚無感の強いファンタジー、心地よく眠りながらみる悪夢のような、現実味のないストーリーを現実だと誤認させるような力が、音と歌詞と歌声によって作られており、唯一無二の世界を構築しています。
グリッチノイズというジャンルをご存知だろうか?多分今回紹介しているアーティストの中でも、特にマイナーなエレクトロニカのジャンルではないかと思うのですが。
アンプに繋がれたケーブルを触った時に発生する「ブチッ」というノイズのような、技術的なミスで発生するノイズをグリッチノイズと呼ぶわけですが、あれをメインに使用したエレクトロニカの中でも一際美しい旋律を奏でているのが青木孝允です。
アンリアレイジというブランドのパリコレにて、サカナクションの山口一郎がサウンドディレクションを行い青木孝允が制作を担当したことで少し話題になったと思います。
何より、青木孝允の作る音は相反する二つの性質が同居している点がすごいのです。聴く人によって「シンプル」だと感じたり「複雑」だと感じたり、「硬質」に感じたり「柔らかく」感じたり。
ミニマルテクノのようなシンプルさなのに、小さな工夫を積み重ねることで自在かつ巧妙に変化していくその「最小の音数で作られる最大級の空間」に驚かされると思います。
また、青木孝允の曲を聴いて先ほど紹介したツジコノリコと相性が良いかも?なんて感じた方はセンスがあります。この二人は共同で楽曲制作をしており、出来上がった曲の面白さは筆舌に尽くし難いです。
ぜひ、聴いてみてください。