今回はアニメ飯!「茄子 アンダルシアの夏」「黒田硫黄の短編漫画集『茄子』」に出てきた「茄子のアサディジョ漬け」を再現してみたいと思います!
ブエルタ・ア・エスパーニャ観戦のおともに!?近所に引っ越してきた外国人どもに作法を教えなければいけない人も!茄子のアサディジョ漬けの材料やレシピはもちろん、作り方についても詳しくご紹介しますので、ぜひワインとご賞味あれ!ビールとやっちゃだめですよ?
茄子のアサディジョ漬けと言うのは、緑色した小茄子を、唐辛子やハーブを混ぜたスパイスと共に、オリーブオイルとピクルス液に漬けた漬け物のこと。
黒田硫黄の短編漫画集『茄子』第1巻に収録された「アンダルシアの夏」を、高坂希太郎監督のもとマッドハウスがアニメ映画かしたこの作品に登場する「茄子のアサディジョ漬け」。
ジブリアニメが好きな人や、自転車レースが好きな人で、もしこの作品を観ていないなら、今すぐにでも観ていただきたい個人的名作である。上映時間も47分なので、サクッと観れる点も魅力。
この「茄子 アンダルシアの夏」では、アンダルシア地方の名物として「茄子のアサディジョ漬け」が登場しますが、どうやら実際のアンダルシア地方にこのような郷土料理は存在しないらしい。
茄子のアサディジョ漬けのレシピは、原作第1巻の巻末に記されており、「ドン・キホーテの食卓」という本のレシピや情報を参考に執筆しているそうです。
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ぶっちゃけ、アサディジョと言う物体について、どれだけインターネットで調べても、詳しい情報は一切出てきません。僕に残された文献は「茄子」と「ドン・キホーテの食卓」だけ。
「ドン・キホーテの食卓」に記載されているラ・マンチャの茄子漬けアルマグロ風のなかにアサディジョと言うものが記載されており、そこには
乾燥赤ピーマン、潰しニンニク、潰しウイキョウの実、クミンシード、パプリカ、鷹の爪、オリーブオイルを混ぜ合わせて捏ねたもので、それを茄子の切り目にはさんで漬ける
引用元:『ドン・キホーテの食卓』(新潮選書、1987年)
と書いてある。
そして、『茄子』第1巻には
乾燥赤ピーマン、潰しニンニク、潰しウイキョウの実、カミンシード、パプリカ、鷹の爪、オリーブ油をこねた物
引用元:『茄子 第1巻』(黒田硫黄)
と言う記載がされている。
まずは、原作『茄子 第1巻』に掲載されているレシピを見てみよう。
1・ヘタも実も緑色で赤ちゃんの握りこぶし位のご当地スペインの茄子を使う
2・外の硬いヘタを取り内側のやわらかいヘタは残す
3・切れ目を入れて2分茹でる
4・冷水で洗って中まで冷やす
5・アサディジョ(乾燥赤ピーマン、潰しニンニク、潰しウイキョウの実、カミンシード、パプリカ、鷹の爪、オリーブ油 これらをこねたもの)を切れ目に挟んでウイキョウの枝で刺す
6・それを壺につめ、隙間にもアサディジョを詰め、水、酢、塩を加え、オリーブ油で表面をおおう
7・密閉して数日後に食べる
引用元:『茄子 第1巻』(黒田硫黄)
ふむ。1個目から「ご当地スペインの茄子を使う」とあるが、新宿伊勢丹の食品売り場を持ってしても、スペイン産の緑色の茄子と言うのは見つけられなかった・・・早速挫折である。
ウイキョウと言うのはフェンネルの事、でもフェンネルの枝なんてどこにも売ってないぞ!?その辺に生えてるハーブでもないし・・・。
と言う事で、今回は『茄子 第1巻』のレシピと、『ドン・キホーテの食卓』のレシピをベースに、近所のスーパーなどで手に入る具材や材料を使って作れる茄子のアサディジョ漬けを作っていこうと思います。
残念ながらスペイン産ではありません。
小茄子の時期(旬)と言うのは、だいたい7月〜9月ごろ。今回、この記事を執筆しているのは11月ですから、近所のどこのスーパーに行っても売っておらず、しぶしぶ新宿の伊勢丹とか言う高級食品売り場へ馳せ参じ、なけなしの大枚を叩いて買ったわけです。
おそらくスペインでは、白ワインビネガーを利用して作る気がするのだが、わざわざビネガーを買うのも面倒だし高価なので、今回は白ワインと米酢を組み合わせて代用したいと思います。
オレガノとローリエは僕のオリジナルです。原作のレシピには存在しませんが、入れたほうが美味しそうなのと、ローリエが入ってると見た目がよくてインスタ映えしそうなので追加しました。
ニンニクに関しては面倒なので今回はチューブニンニクで代用してます。
包丁とかまな板とかは当たり前として、茄子のアサディジョ漬けを作るために特別必要な道具は以下の2つ。
完成した茄子のアサディジョ漬けを漬け込むために、「茄子アンダルシアの夏」ではバルのオーナーが店の片隅で大量の小茄子を甕に入れて漬け込んでいましたが、僕の家はバルではないのでこれくらいの小さい瓶で対応したいと思います。メイソンジャーとかいうのが便利です。
そして新品のスポンジは、少しでもアニメに出てきた茄子のアサディジョ漬けにビジュアルを近づけるなら必須の道具です。
緑色の小茄子が手に入れば良いのですが、そうそう都合よく手に入りませんよね?そう言う時は、新品のスポンジの硬いほうで、茄子の紫色を剥がしてしまおう!って事です。
では早速、茄子のアサディジョ漬けを作っていきましょう。作り方も『茄子 第1巻』のレシピと、『ドン・キホーテの食卓』のレシピをベースに、ちょっとアレンジしながら作成していきます。
簡単に説明すると、以下の12ステップ!
以下で1つずつ解説していきますね!エルナンデスになったつもりで作っていきますよ?
鹿児島などでは見かけることも多い緑色の茄子「白茄子」。残念ながら、ここ東京では見かけた事すらありません。しかも今回は、小茄子の時期とも外れていたので、近所のスーパーにも無かった。
なんとか(大枚を叩いて)手に入れた小茄子ですが、こんな紫色ではエルナンデスのバルで漬けられていた美味しそうな緑色の茄子のアサディジョ漬けとは似ても似つかない出来になってしまう!
って事で、新品のスポンジで紫色を削り落としていきましょう。せっかく鮮やかな紫に熟したのに、なんだか可哀想ではありますが、仕方ありません。
スポンジのカスや、紫色の汁を洗い流すために、ボウルに張った水の中で泳がせましょう。綺麗にしておかないとネグロに食べてもらえませんからね!
アンダルシアの夏に出てきた茄子のアサディジョ漬けは、こんな風に切れ目は入っていませんでしたが、原作の第1巻の巻末では「切れ目を入れてアサディジョを挟む」みたいな解説がされていたので、とりあえず十文字に切れ目を入れます。
こんな感じですね。
茄子が切られたことに気がつかないくらいスパッと切りましょう。
鍋を使って2〜3分ほど茹でます。
漬け物を作ったことがある方ならご存知かと思いますが、漬ける前に下茹ですることで、かたい野菜は柔らかくなり、アクやエグみが抜けてくれます。
日本では米のとぎ汁で下茹でするのが一般的かもしれませんが、それではスペインとかけ離れそうなので今回は水でやります。
ここで茹ですぎると、野菜のもつビタミンが壊れてしまうので、茹ですぎは注意。
流水でしっかりと冷まします。
さて、ピクルス液を作っていきましょう。用意するのは以下の材料。
エルナンデスはきっと、白ワインビネガーを使って作っているような気がします。ビネガーがあるご家庭は、そちらを使ってみても良いかもしれません。
が、ここではとりあえず、どこのご家庭にもある米酢と白ワインで代用してみます。きっとこれでも十分美味しい茄子のアサディジョ漬けになってくれるはず。
しっかりと混ぜ合わせて、鍋に入れましょう。
鍋に先ほど作成したピクルス液と、冷ましておいた小茄子を入れたら沸騰するまで火にかけ、沸騰したら火を止めます。なんか、こうすると味が染み込みやすくなったりするらしいです。
本当は、鍋に入れたまま手で触れるくらいまで冷ますのが理想的のようですが、今回はそんな時間無いので、小茄子だけをピクルス液から取り出し、氷水で一気に冷まします。
さて、このままでは小茄子のピクルスになってしまいます。大本命のアサディジョなる、調味料(?)を作って行こうではありませんか。
用意したのは以下の材料。
ボウルに開けて混ぜ合わせます。とてつもなくスペインの香りがします。きっと、アンヘルやカルメンは、エルナンデスのバルでこんな匂いを嗅いでいたのでは無いでしょうか?
情熱の見た目です。オッレッ!!
ここでの分量が味を左右すると思います。きっと「茄子 アンダルシアの夏」の世界では、バルのテイストによって、ここのバルは辛いとか、ここのバルは酸味が強いとか、なんかそういうのがあったんだと勝手に想像したりします。
パプリカパウダーを多めに入れてみたり、ニンニク多めで作ってみたりしても面白いと思いますので、僕のレシピを参考にベストな分量を探してみてはいかがでしょう。
きゅうりのピクルスに、このアサディジョをかけて食べても美味しそう。
原作に書かれているレシピでは、このアサディジョを切れ目に挟んでウイキョウの枝で刺すって書いてありました。
ウイキョウってのはフェンネルのこと、なぜ枝で刺すのか?と考えてみたのですが、きっとアサディジョが落ちてこないように、ロールキャベツに爪楊枝をさして煮るみたいな感覚で刺しているんだと思います。
ってことは爪楊枝でも大丈夫。今回は食べるときに爪楊枝を刺すのが面倒だったし、茄子アンダルシア夏のアニメにも漫画にも、フェンネルの枝が描かれている場面はなかったので、あえて刺さずにいきます。
でも、フェンネルの枝なら、そのまま食べても大丈夫なのか?枝なんて食べたことないから、食べれるのかよく知らないけど・・・。
小茄子にアサディジョを挟んだら、瓶の中に放り込んでいきます。全部の茄子を入れ終えたら、茄子同士の隙間にもアサディジョを詰めましょう。
ピクルス液が冷めたことを確認して、瓶の中に注ぎ込んでいきます。
もう、大半の作業が終わりました。茄子アンダルシアの夏の劇中なら「パオパオはビールのホームラン王です!」ってセリフが出てくるぐらいの位置です。もうひと頑張り!
ピクルス液の上から、オリーブオイルをゆっくりと注ぎ入れましょう。オリーブオイルの層を使って、茄子のアサディジョ漬けに蓋をするようなイメージです。
劇中でアサディジョ漬けを食べるときに滴っていたのは、アサディジョ漬けの汁っていうより、オリーブオイルだったのかもしれませんね?
ローリエを入れたのは完全にアドリブです。
メイソンジャーに入れて作ったスペイン風の漬け物に、ローリエがペロっと乗っかっていたら、女子がインスタグラムに載せたくなるんじゃない?って思ったので、ほんの出来心で載せました。
でもすごいいい匂いになりますよ。
これで、出来上がり。
エルナンデスのバルでは、どうやらキッチンらへんに置いて保管していましたね。
ブエルタ・ア・エスパーニャが開催されるのは毎年8月下旬から9月の中旬にかけて、エルナンデスのバルがあるのはアンダルシア地方なので、夏場の気温は40度近くまで上がります。ただ、乾燥地帯なので日陰や夜は比較的涼しいとされています。
日中は40度、夜は17度、とかでしょうか?この気温で室温保管してるっててことは、きっと茄子のアサディジョ漬けは保管に優れた漬け物なのでしょうか・・・。
でも今回のレシピに置ける塩分量とかを考えると、常温保管するのは怖いですね・・・。正確なレシピや正確な保管方法は知りませんし。大事をとって、冷蔵庫の野菜室に保管したいと思います。
うーん!上出来だ!
ぺぺ・ベネンヘリが劇中で茄子のアサディジョ漬けに対し「ホテルが出したんだろ?地元の名物だから」というセリフの後に、チームメイトが「名物にうまいもの無しと言いますが〜」と話しながら、ナイフとフォークで茄子を食べようとしていると「これはな?こーやって食うのさ!」と言って食べるシーンがあるわけですが。
劇中ではアンダルシア地方の名物であり、由緒ただしきアンダルシアの人間たちが愛する郷土料理故に、ローカルルールと言いますか、ある種信仰的なものが混ざっているような作法があるわけですね。
名古屋の人間が「手羽先はキリンビールと一緒にこーやって食うんだよ!」みたいな事を言うのに近いと思います。
まずは、茄子のヘタの部分を、親指と人差し指でちょいとつまみます。ナイフとフォーク、日本だと箸なんか使う奴は死刑ですので、必ず指でつまむようにしましょう。
オリーブオイルや漬け汁が2〜3滴垂れるのを待ってから、開いた方の手を軽く添えて、顔は上に向けます。その後大きめの声で「知らねーのかぁ?これはなぁ、こぉーやって食うのさ!」と言いながら上から口に放り込みましょう。
誰かがナイフとフォークで食べようとしたら大チャンスです。名物に美味いもんなしと言いますが〜からのコンボが決まれば、梅原大吾ですらガード不能だと思います。
茄子アンダルシアの夏に出てくるバルの店主エルナンデス曰く「5日目が一番美味い」とのこと。言われた通り5日目に食べてみましたが、確かに4日めではまだ浸かりが浅く、6日目〜7日目となると茄子の味わいは何処へやら?
アサディジョのもつスパイシーな風味は、アンダルシア地方の灼熱の太陽のもとで食べたら美味しそうだなと感じる味わいでした。
先に言っておきますが、茄子漬けとビールをやる奴は叩き出される事になっとるので要注意です。
なにはともあれ、地ワインが一番だそうですが、残念ながら今回は「スペイン産のワイン」までしか入手できませんでした。近所のライフよ!アンダルシア産の赤ワインをぜひ探して来てくれ!
いや、でもスペイン南部の気候はブドウに適してるし、実はこのワインにもアンダルシア地方で作られたブドウが使われているかもしれません。一応、売られていた中ではアンダルシア地方に最も近いデペーニャス地帯のセラーのワインにしました。250kmくらい離れてますけどね。
今回の茄子のアサディジョ漬けは手作りのホンモンなんですがね。
さて、いつものアレ言っときますか。
「茄子のアサディジョ漬け、そしてワイン!これは法律だ!!」(そうだとも〜)
ぶっちゃけ、茄子の漬物に赤ワイン!?って思いました。普通、ピクルスやバーニャカウダなどの野菜料理と言ったら、白ワインを合わせるのが一般的です。
僕が今回買ったスペインワインの裏側にも「ハンバーグやステーキ、ビーフシチュー、熟成させたチーズなどに合う」と書いてあります。しかし、エルナンデスが「外国人どもに作法を教えにゃならん!茄子漬けとワイン、これは法律だ!」とか怖い顔してますし、どうみても劇中で注がれているのは赤ワインですし・・・。
と言うわけで赤ワインと合わせてみたのですが。
これが衝撃的な美味しさ。このアサディジョってのがいい。いや、白ワインでも赤ワインでも美味しかったってのが事実なんですが、赤ワインで合わせると、どことなく僕の妄想上のアンダルシア地方とマッチするんです。アフリカみたいな、砂漠みたいな気候の地域にあるバルにぴったりと言うか・・・・・。
ぜひ皆さんも、茄子のアサディジョ漬けとワイン!この法律を遵守するようにしましょう。
それでは最後に。
「新婚さんが茄子のように、土地に根を張るよう、ワインで乾杯!」