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映画「セッション」の音楽や曲と偉大なジャズドラマーまとめ

映画「ラ・ラ・ランド」の監督としても知られるデイミアン・チャゼル監督が2014年製作した傑作映画「セッション」ってご存知ですか?観てますか?

個人的な意見ですが、音楽を題材にしたフィクション映画の最高峰であり、素晴らしいストーリーとキャストの名演技はもちろん、演奏に関する映像美と最高の音楽によってジャズの世界に引き込まれます。

今回は、映画「セッション」を観てジャズやジャズドラムに興味を持った人向けに、セッションの劇中で使用された楽曲や、劇中に登場した著名なジャズ奏者、そして一度は聴いてほしい伝説的なジャズドラマーについてご紹介したいと思います。


映画「セッション」とは?

この映画は、よくある「音楽界の才能に恵まれた神童」の映画ではありません。あえて言うならば、「音楽学校の練習室で行われるスポーツアスリートのような壮絶なドラマ」を描いた映画です。

セッション(原題: Whiplash)」と名付けられたこの映画は、バディ・リッチのような「偉大な」ドラマーになることに憧れ、アメリカで最高の音楽学校であるシェイファー音楽学校に進学した19際のアンドリュー・ニーマンが、狂気の音楽指導者と出会い、精神を追い詰められながら高みを目指す究極の師弟関係が描かれます。

セッションの評価

  • Yahoo!映画 4.1/5
  • Filmarks 4/5
  • みんなのシネマレビュー 7.8/10
  • Rotten Tomatoes 8.6/10
  • Metacritic 88/100

キネマ旬報の2015年の外国映画ベストテンで7位を獲得したこの映画。サンダンス映画祭で2014年に上映されて以降、評論家からの賛辞がやまず、狂気の音楽指導者「テレンス・フィッチャー」を演じたJ.K.シモンズは特に高く評価されています。

全世界で142の賞にノミネートされ、51を受賞。そのほとんどが、監督賞・編集賞・助演男優賞と、音響関係の部門であり、このことからも脚本と助演男優と劇中音楽が優れた映画である事が伺えます。

セッションの感想

正直、あまりに感動しすぎて映画の感想を述べ始めたら、それだけで1万文字位書いてしまいそうなので、今回は「観てないけど、タイトルは聞いたことがある」と言う人のために、どれだけ鳥肌ものの映画だったのかを、簡単に解説します。

狂気に満ちた指導者、偉大なドラマーを目指す主人公

音楽経験がある人間なら誰もが知っている「指揮者が指揮を始める瞬間に訪れる一瞬の緊張感」が非常うまく描けており、まるで地球の反対側の鳥の声が聞こえるようなヒリヒリした空気感の表現が抜群です。

そして、屈折した音楽指導。主人公の人格の変化、文字通り血の滲むような痛々しい努力の日々。それが、とんでもないラストシーンへと繋がります。あの瞬間のカタルシスったらありません。ネタバレしたくないので、感想はここまでにしておきます。

観てない人は是非!

セッションの劇中音楽がすごい!

切れ味の鋭い映像美、魅力的なキャラクター、圧巻のシナリオ、どれをとっても死ぬまで記憶に残る映画の1つであることは間違いありませんが、この映画の最大の魅力はやっぱり「音」です。

優れたスピーカーやヘッドホンを使って大音量でこの映画を見るのとそうでないとは雲泥の差。劇場で見ることが出来た人はそれだけで価値のある人生と言っても過言ではありません。

ここからは、今回の記事の本題である「セッション」と言う映画に登場した音楽や、実名が登場したドラマー、そしてセッションを観た人にぜひ聞いてほしいジャズドラマーを紹介します。

原題にもなった名曲「Whiplash」

1973年にハンク・レヴィ(Hank Levy )が作曲した名曲「Whiplash(ウィップラッシュ)

ハンク・レヴィは、「変拍子の神様」と言われたトランペッター「ドン・エリス(Don Ellis)」の作曲家として多くの作品を残すアーティスト。このウィップラッシュもその中の一曲で、目まぐるしくリズムが変化し、ダイナミックでノリの良いアンサンブルが魅力の曲です。

Whiplash(ムチで激しく打つ)と名前の通り、指導者のフィッチャーが生徒のニーマンに要求した技術や、ニーマンに対するフィッチャーへのしごきを連想させる素晴らしいタイトル

セッションのサウンドトラック

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この映画を観終わってシアターを出たら、最初に行きたくなるのはトイレじゃなくてタワーレコードかディスクユニオンか、ブルーノート東京だと思います。

そんな貴方に救いの手を差し伸べるのが、劇中台詞、既成曲、オリジナル曲等の全24トラックが収録された、映画セッションのオリジナルサウンドトラックです。

OST収録楽曲リスト

  1. Snare Liftoff (I Want To Be One Of The Greats) – J.K. Simmons
  2. Overture – Justin Hurwitz
  3. Too Hip To Retire – Tim Simonec
  4. Whiplash – Hank Levy
  5. Fletcher’s Song In Club – Justin Hurwitz
  6. Caravan – John Wasson
  7. What’s Your Name (If You Want The Part, Earn It) – J.K. Simmons
  8. Practicing – Justin Hurwitz
  9. Invited – Justin Hurwitz
  10. Call From Dad – Justin Hurwitz
  11. Accident – Justin Hurwitz
  12. Hug From Dad – Justin Hurwitz
  13. Drum & Drone – Justin Hurwitz
  14. Carnegie – Justin Hurwitz
  15. Ryan / Breakup – Justin Hurwitz
  16. Drum Battle – Justin Hurwitz
  17. Dismissed – Justin Hurwitz
  18. Good Job (He Was A Beautiful Player) – J.K. Simmons
  19. Intoit – Stan Getz
  20. No Two Words – Nicholas Britell,Justin Hurwitz
  21. When I Wake – Justin Hurwitz
  22. Casey’s Song – Justin Hurwitz
  23. Upswingin’– Tim Simonec
  24. Medley – Tim Simonec

セッションの劇中に登場したアーティスト

ジャズファンならずとも、映画セッションに魅了された人なら、劇中に実名で出てきたアーティストが気になって仕方ないはず。とは言っても、ジャズファンなら誰もが知っている伝説的なアーティストばかりですけどね。

ここからは、映画セッションを観てジャズに興味を持った人のために、劇中に実名で登場したアーティストについて、簡単にご紹介していきます。ぜひ彼らの曲も聴いてみてください。

バディ・リッチ(Buddy Rich)

セッションの主人公であるアンドリュー・ニーマンが憧れているジャズドラマーがこのバディ・リッチです。

彼の特徴は何と言っても、非常に細かく刻んだ音符を早く正確に長時間叩き続ける事ができると言う超絶技巧と、そのグルーヴ感を損なわない音でしょう。

それはまさに、劇中でアンドリュー・ニーマンが憧れたドラムテクニックであり、優雅なスティックさばきと、踊るようなトラディショナル・グリップの左手など、ジャズドラマーを題材に映画を作るなら絶対に欠かせない超人中の超人です。

チャーリー・パーカー(Charlie Parker)

映画セッションのシナリオの根っこにあるテーマといえばチャーリー・パーカーと言うアルトサックスプレイヤーのエピソードであり、劇中でフィッチャーが主人公に語る姿を多くの人が印象的に覚えていると思います。

「あのチャーリー・パーカーだって10代の頃、ジャム・セッションでヘマをやらかし、ドラマーのジョー・ジョーンズにシンバルを投げられ、観客から笑われながらステージを降りた。その夜、彼は泣きながら寝たが、翌朝から来る日も来る日も練習に没頭した。もしあの時にシンバルを投げられてなかったら、我々の知っているのあの“バード”(チャーリー・パーカーの愛称)は生まれていない」

この話自体には諸説ありますが、この一説が本作品のベースであることは間違いありません。

ウィントン・マルサリス(Wynton Marsalis)

映画セッションでの印象的な出来事の1つである、フレッチャーの元生徒で交通事故によって命を落としてしまったトランペット奏者「ショーン・ケイシー」の話。

ここで登場した、ショーンの配属されていたバンドですが、映画の日本語字幕では「ウィントン・マルサリスのバンドのトランペット奏者」と表示されますが、英語のセリフでは「リンカーン・センターの第三トランペット奏者」と言っています。

リンカーン・センターのバンドはウィントン・マルサリスが率いているので、字幕は意訳ってことですが、現代に置いて最も著名なジャズミュージシャンの1人ですから、ショーンが凄いという点がよく伝わります。

セッションを観たら聴きたいジャズドラマー

さてさて、ここからは「セッション」を観てジャズにハマってしまった人たちのために、ジャズの歴史の中でも燦然と輝く偉大なジャズドラマー達をご紹介したいと思います。

セッションからジャズドラマーに興味を持つと、どうしてもバディ・リッチばかりに注目してしまいますが、彼以外にも魅力的なジャズドラマーは沢山いますので、ぜひ様々なアーティストの演奏を聴いてみていただければと思います。

ロイ・ヘインズ(Roy Haynes)

映画「セッション」の劇中にも実名で登場した偉大なアルトサックス奏者「チャーリー・パーカー」との共演経験がある、最後の生き残り。まさに生きる伝説といって過言ではない現役のジャズドラマー。

1925年生まれで、90歳を超えた今でもジャズシーンの先端を行く貴重なミュージシャンです。

トニー・ウィリアムス(Tony Williams)

圧倒的な技術力の高さから生み出されるパワフルな高速ドラミングにより、「究極の天才ドラマー」として親しまれるトニー・ウィリアムス。

最初に彼の名前がクレジットされたSeven Steps To Heavenの録音が1963年5月、この時点でトニーは17歳と言う若さでしたが、信じされないドラミングを披露しています。まさに、天才です。

エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)

4本の手足で異なったリズムを叩きだす「ポリ・リズム演奏」により、至上最高のジャズ・ドラマーと賞賛されるエルヴィン・ジョーンズ。

日本人女性と結婚し、親日家として知られる彼は、2004年に心臓病でこの世を去るまで、毎年年始に新宿ピットインにて公演を行うのが定番となっていました。

ジャック・ディジョネット(Jack DeJohnette)

現代最高のジャズドラマーと呼び声高いジャック・ディジョネット。ピアニストとしてもしあれる彼の特徴は、枯れたシンバルレガートと、サクサクしたドラムセットにより奏でられるカッコイイ音色が魅力。

他のジャズドラマーにはないリズム感で、複雑なビートをジャズっぽさを持ち続けたまま演奏できるスキルがたまりません。

スティーヴ・ガッド(Steve Gadd)

ジャズを基調に、ロックやR&Bやエレクトロニカなど様々なジャンルを融合させた音楽ジャンル「フュージョン」における最高のドラマーといえばスティーヴ・ガッドです。

正確無比なプレイが特徴であり、その正確さから「まるで教本のようにドラミングを行う機械のようだ」と評されており、「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のドラマー」において24位を獲得しています。

アート・ブレイキー(Art Blakey)

日本酒が大好きな親日家として知られ、日本で何度も公演を行っているため、1950年前後に生まれたジャズファンの中には、彼からジャズを学んだと言う人も多いのではないでしょうか?

メリハリのあるバッキングと、シンバルレガートの美しい音色が特徴であり、ラテンジャズのだ評的な要素「アフロ・キューバンリズム」をドラムセットで表現したパイオニアとしても知られています。

フィリー・ジョー・ジョーンズ

現代のモダンジャズドラミングの礎を築いたと言われるフィリー・ジョー・ジョーンズ。パワフルでドライブ感が魅力的なレガートにより、バンド全体をグイグイを押し上げて行くスタイルが最高です。

また、「フィリー・リック」と呼ばれるリムショットもよく知られており、多くのソロ奏者にインスピレーションを与えました。まさに、個性派に負けない存在感のあるジャズドラマーと言えます。

ジーン・クルーパ(Gene Krupa)

スイングの王様と称されるベニー・グッドマンが率いる楽団に所属し、ビッグバンドジャズの代名詞的名曲「シング・シング・シング」などを演奏した伝説的なジャズドラマーです。

非常に練習熱心で研究家であったと言われており、1035年にロサンゼルスのパロマ・ボールルームで行われた演奏における、非常にエキサイティングなドラミングは今なを語り継がれています。

ジョー・モレロ( Joe Morello)

「盲目のジャズドラマー」として知られるジョー・モレロ。実際には全盲ではなく弱視だったようですが、黒縁メガネやサングラスをしている姿が印象的です。

圧倒的なスティックコントロールによる超絶テクニックと、サングラスによる怪しげな風貌がかなりカッコよく、凄まじいカリスマ性を感じさせます。

シェリー・マン(Shelly Manne)

モダンジャズを代表する白人ドラマーと言えばシェリー・マンではないでしょうか?これぞモダンジャズ!って感じのタイトなドラミングと、ブラッシュワークが特徴的です。

圧倒的なテクニックによって、時にユーモラスで、時にユニークな創造的な演奏を数多く残し、「メロディを叩き出せる男」なんて形容される名手です。

漫画「ブルージャイアント」が面白い

ここからは余談ですが、今回紹介した映画「セッション」が面白いと感じたなら、漫画「ブルージャイアント」も非常におすすめです。

ジャズを題材にした漫画であり、サックスに出会った高校生「宮本大」が、サックスプレイヤーを目指すというシンプルなストーリーですが、漫画から感じる音圧が半端ないです。

セッションと大きく違うのは「音楽界の才能に恵まれた神童」を取り扱った題材であると言う点ですが、音楽に魅了され自己の向上のために狂気に身を晒す姿は、セッションに勝るとも劣りません。

ぜひ、音を出さない漫画から音を感じてください。

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仕事そっちのけで記事を書いた人

仕事なんてただの暇つぶし、本業はクライミングとスニーカー集めです!夢はでっかく世界征服!あー、高級車に乗ってタワーマンションの最上階から一般人を見下ろしたい!よろしくお願いします!

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