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​ トランプショック!1,000円超安した日経平均の過去の大暴落をまとめてみた

​ トランプショック!1,000円超安した日経平均の過去の大暴落をまとめてみた

こんにちは、先日のアメリカ大統領選挙が事前予想を裏切る形でトランプ勝利となり、それに反応した日経平均が最大で1,000円超の下げ幅を記録したのを他人事のように眺めていた半田(@handa_plan)です。

久し振りの日経平均1,000円下げということで、過去日経平均が1,000円以上下落した時って何があったっけなぁということで振り返ってみました。

日経平均が大きく変動する時

日経平均株価が変動する要因は、主に次の四つに分けることが出来ます。

  • 経済的要因(ニュースなど)
  • 構成する銘柄の株価の変動
  • 為替変動
  • 海外の指標や指数

もちろんこれ以外に変動する要因がないとは言い切れませんが、主にこれらの影響を受けることで、取引時間中、日経平均株価は変動を繰り返します。

そんな日経平均株価ですが、日によってその変動幅は違います。ほとんど上下に動かない日もあれば、驚くほど上がったり下がったりする日もあります。

では日経平均が誰もが驚くほど動く時とは一体何が起きた時なのでしょうか。過去1,000円以上日経平均が下げた日がいつで、その時何が起きたのかについて調べてみました。

過去日経平均1,000円以上暴落した日

本来であれば変動幅ではなく、変動率で比較するのが正しいのですが、単純に1,000円下落というインパクトを理由にこの変動幅にしてみてます。

たとえば、1953年3月5日に日経平均が37.81円下げているのですが、今からすれば大したことがないように見えるこの変動幅、実はこの時の終値は340.41円。その変動率は実に10%という歴史的な暴落となっています。

でもやっぱり30円安!なんて言っても今の感覚だとどことなく力が抜けちゃうので思い切って1,000円以上の暴落にスポットを当ててみますが、一応下落率の順番に紹介していきます。

1987年10月20日、−3,836.48円【ブラックマンデー】

これはとんでもないインパクトがありますね。1,000円超の下げどころかその4倍近い下げ幅。今だとちょっと想像もつかない大変動です。

証券会社とか一体どうなってたんだろう。証券会社に勤めていた僕としてはちょっと見てみたいけど、とてもその場にはいたくない、そんな恐ろしい状況ですね。

では一体何があったの?って話ですが、この時起こったのが「ブラックマンデー」です。金融市場の歴史にその名を刻んだ歴史的な大暴落です。

ブラックマンデーの原因

ブラックマンデーは明確な原因がないと言われています。これはこの記事を書いてる僕にとって非常に困ったことです。

なにせ元証券会社勤務であり、個人投資家でもある僕が、相場を強く下げる要因を、ネガティブサプライズだと考えているからです。

ネガティブサイプライズというのは、要するに想定よりも結果がすごく悪かった時や、予想もつかないような悪い出来事が起きた時のことです。

相場なんて結局のところ買いより売りが多ければ上がるし、売りより買いが多ければ下がるものなので、上げた下げたの理由をいちいち気にはしていませんが、やっぱり1,000円下がるってのは通常の相場とは違う何かが要因だろうなって思うわけです。

しかし、ブラックマンデーには、後からでも説明のつく明確な要因がありません。一応双子の赤字だとかドイツの利上げだとか、コンピューターの自動売買だとか言われています。ところが誰もが納得する理由にはなっていないというのが実際のところ。

裏を返せば結局相場では何が起こるか分かりませんよー、ということをより顕著に表した出来事だなぁと思うわけです。

2008年10月16日、-1,089.02円【世界的金融危機】

過去の日経平均株価の暴落において、ブラックマンデーに続いて下落幅、下落率、ともに2位(-11.41%)という歴史的な下落を記録した日です。日経平均採用の50銘柄、全体でも175銘柄がストップ安するというとんでもない相場。

当時、証券会社の自分のデスクでQUICK(金融市況情報を見るための端末)で日経平均株価が1,000円安する瞬間を見たのを今でも鮮明に覚えています。

おかげで、こんなに安く買える相場はそうこないぞ!なんていう理屈でお客様に投資信託やらの案内をしまくった記憶があります。

相場が上がれば「乗り遅れちゃいますよ!」下がれば「安く買えるチャンスですよ!」どっちにしても投資信託買ってくださいって、証券会社ったらお茶目ですね!

世界的金融危機の発端

この時の世界的金融危機の発端となった事件と言えば、リーマンブラザースの破綻、いわゆるリーマンショックです。

もともと返済能力が低い人にもお金を貸しまくって住宅を販売したものの、結局は支払いが出来ずに不良債権化。

返せなくても家を売って返済するばいいよね、となるはずが、想像以上に住宅価格が下がって返済できず破産する人が続出しました。

しかもこのローンを証券化した金融商品が世界的に販売されていました。しかし上記のような事態に陥ってしまい資産価値が大幅に下落。

保有していた投資家や金融機関は大幅な損失を抱えることとなり、一斉に投げ売り。世界的な金融危機の発端となりました。

リーマンブラザーズが破綻するというネガティブサプライズ

リーマンショックが起こる約4か月前、ベアー・スターンズという大手投資銀行が同じくサブプライム問題によって経営が急激に悪化していました。

この時はFRBが金融融資を行うことによって破綻の危機を回避。結果的にはJPモルガンによって救済買収されるにいたりました。

あまりにも大きな規模の金融機関が破綻することによって、世界的な金融システムの崩壊を恐れるあまり、「Too big to fail(大きすぎて潰せない)」という言葉が叫ばれた結果と言えます。

その後リーマンブラザーズの経営状態の悪化が表面化した際にも、他金融機関からの救済があるものだと考えられていました。

実際HSBC、バンク・オブ・アメリカ、メリルリンチ、バークレイズ、日本からも数行のメガバンクが売却交渉を行っていました。

しかし、結局はあまりにも損失の規模が不透明であることなどからどこも救済を見送りました。つまり、救われると思っていたものが救われなかった。これぞネガティブサプライズ

あんなに大きな投資銀行ですら潰れることがあるという衝撃が、世界の金融不安に拍車をかける結果となったわけですね。

2011年3月15日、-1,015.34円【東日本大震災】

5年半前というのが信じられないくらい、僕たち日本人にとって決して忘れることが出来ない日です。東京ですら今まで体験したことのないレベルの揺れだったことを記憶しています。

当日の相場は週末の引け前だったことや被害の全貌が見えないことから、相場への影響は翌週になって表れました。

3月11日の翌営業日は3月14日は月曜日だったのですが、実際に1,000円超安を記録したのは3月15日火曜日です。

この時間差は東日本大震災の被害状況が徐々に明らかになっていったことによって生じたものと言えるでしょう。

12日(土)、13日(日)にかけて津波の被害が甚大であることを受け、週明けの日経平均は200円超の下げから始まります。この時点では1,000円安には程遠い下げ幅。

しかし14日(月)に福島第一原発の3号機が爆発。翌15日(火)に4号機が爆発炎上しました。そして東京でも放射性物質の飛来が確認されたことを受け、日経平均株価は歴史的な下落を記録しました。

ちなみに1,015.34円安(-10.55%)は下落率においても歴代3位となっています。

2016年6月24日、-1,286.33円【イギリスEU離脱】

下落幅としては歴代8位、下落率としては歴代9位となるのが、イギリス国民投票によって決まったEU離脱による日経平均の暴落です。

この暴落を引き起こした要因となるイギリスのEU離脱という結果ですが、こちらもやはりネガティブサプライズであったと言えるでしょう。

世論調査の段階では、EUへの残留派が有利とされていたこと。さらに前日の先物市場でも残留有利を材料に日経平均先物は買われていました。

ところが、開票が進むにつれて離脱派が有利であることが伝わると、売り圧力が増していき昼休み中にはほぼ離脱派との見方が強まり一気に投げ売りが始まります。結果として1,000円超の下落幅を記録する結果となりました。

この時は、自分のデスクでチャート眺めてました。日経平均の暴落に興奮しつつも、ドル円が上昇からの急下落という典型的なダマシのチャートを描いているのを指くわえて見てた記憶があります。。

2013年5月23日、-1,143.28円【バーナンキショック】

当時FRBの議長であったベン・バーナンキの議会での質疑応答における発言によって一気に金融混乱を引き起こしたことから名付けられています。

世界的に広がった景気後退に対して、ECBドラギ総裁の手段を選ばない政策やFRBのQE3、安倍首相のアベノミクスによって景気不安は徐々に解消され、リスクオンの流れが出来つつありました。

そんな折に開かれたFRB議長の議会証言。アメリカの金融緩和政策に対する出口戦略に注目が集まっていましたが、結局のところ金融緩和政策を緩めるのはまだ先とみられていました。

しかし、質疑応答の際にFRB議長バーナンキの次の発言が市場に驚きを与えます。

「今後のFOMCで債券購入ペースを落とすことがありえる」

つまり金融緩和政策をやめる方向で進めることがありえますよということ。これに対して株価は急落、アメリカの長期金利も急上昇します。

その流れは翌日の東京市場にもしっかりと表れ、結果として1,000円を超える下げとなりました。

2000年4月17日、-1,426.04円【日経平均採用銘柄入れ替え暴落】

いまさらですが、日経平均株価というのは東証一部に上場する銘柄のうち、225銘柄を対象にした株価指標です。

採用される225銘柄は定期的に入れ替わりがありますが、この日はこの銘柄入れ替えが大変動を起こすきっかけとなります。

通常日経平均株価の採用銘柄の入れ替わりは、多くても数銘柄単位で行われますが、この時は30銘柄同時入れ替えという前代未聞の入れ替えが行われます。

これは、当時採用銘柄の入れ替えがあまり行われないことから、IT企業などが含まれず、実際の経済状況を反映したものとは言い難い状況となっていたことを是正するために実施されました。

30銘柄入れ替えがなぜ日経平均を暴落させたのか

日経平均採用銘柄をいっぺんにたくさん入れ替えたことがなぜ暴落につながったのか。その秘密は日経平均の値動きに連動するタイプの投資信託にあります。

この手のタイプの投資信託は、日経平均と同じ値動きをさせるために日経平均に採用されている銘柄の現物株を買い付けます。

もしもその銘柄に入れ替えがあったら?そうです。除外された銘柄を売って、新規採用された銘柄を買わなくてはいけません。

しかしこの時除外された銘柄の多くは低位株、つまり価格の安い銘柄でした。それに対して新規採用され値がさ株、つまり価格の高い銘柄です。

投資信託の運用会社は除外銘柄を売却した資金では新規採用銘柄を買い切ることができず、資金を調達するために他の銘柄を売却して資金を工面する必要があります。

この売却圧力が日経平均を大きく下落させる要因となりました。結果的に経済的にはなんの問題もないにも関わらず、実務的な影響において日経平均が1,000円以上も暴落するという事態が起こりました。

きっと頭のいい人たちが考えてやったことでしょうから、ちょっと考えたら分かりそうなものですが、こんなこともあるんですね。

なにごとかと思って投げ売りした人がいたとしたらかわいそうでなりません。ぼくだったらマウス壊しちゃうかもしれません。

まぁそれも含めて相場ではなにが起こるか分からないということなのでしょうか。

暴落は必ず来る

とまぁ日経平均1,000円超安という滅多に起きないことが起きた時のことを振り返ってみました。実は他にも日経平均が1,000円超安した日はありますが、90年代のバブル崩壊過程と、ブラックマンデーの3日後とかだったので今回は除外しました。

いずれにせよ永遠に続く好景気はありません。この先も必ず暴落はやってきます。相場ではどんなことも起こる。常に冷静に対応できる準備をしておきたいものです。

今現在株をやっている人、これから株をやろうとしている人、絶対に相場に逆らってはいけません。まずは資金を守ること。「安全第一」「命を大事に」で臨みましょう。

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仕事そっちのけで記事を書いた人

社長やってます。トレードもやってます。

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