冬の寒い日が続いていますが、酒を飲むならやっぱりビールだろ!というビール党の人は多いと思います。ビール党な人から言わせると「キンキンのビール以外はビールじゃない」らしいですが、ビールの本場ドイツやベルギーでは、日本でいう熱燗のようにビールを温めて飲むという文化があります。
最近ではホットワインなども注目されてますし、そろそろホットビールの時代が来るのでは?と僕自身も思っているわけです。
じゃあ、実際にホットビールって美味しいの?ただ温めるだけでいいの?どの種類のビールがホットビールと相性が良いの?などなど、ビールが好きだと気になることは盛りだくさん!ってことで、実際にホットビールの作り方や、スタイルごとにホットビールを作って飲み比べてみましたので、この冬は一緒にホットビールに挑戦してみませんか?
ホットワインがグリューワインなら、ホットビールはグリュービール?
実際問題、ビールの本場と言われるドイツやベルギーって超寒い地域ですから、あんな寒さの中でキンキンに冷えたビールとか飲むわけありませんよね。ということで古くから愛されているのがビールを温めて飲むホットビールです。
現地では屋台などでもホットビールを買ったりできるため、クリスマスやニューイヤーなどのイベントでは、みんなカップから湯気を出してビールを飲んでいるそうです。
さてさて、じゃあそのホットビールですけど、ただビールを温めれば良いの?というと、ちょっと違います。ホットワインもそうですが、フルーツやハーブやスパイスといったものを入れて、ちょっとだけ味を微調整するのがポイントだそうです。
お店や家庭ごとに「自慢のホットビール」ってのがあるのかもしれませんね。
作り方は超簡単です。
以上です。
電子レンジは150mlのビールに対して、500wなら70秒、600wなら50秒程度が目安。突沸に注意しながら55度前後まで温めると良いそうです。
一般的なホットビールに使われる材料としては、アニス、シナモン、クローブといったスパイスが定番です。女性向けのカクテルのようなものとして、オレンジピールやメイプルシロップ(はちみつ)といったもので味を整えることもあるんだそう。
今回は、アニスが高価だったのでスターアニスと、シナモンと、クローブと、メイプルシロップを使ってホットビールに挑戦してみたいと思います。
一般的に「日本のビール」といえば、そのどれもがピルスナーです。
結局のところ、エビスビールとアサヒスーパードライをホットビールにして飲み比べたところで、どっちが美味しいかなんてのは個人差みたいなものですから、飲み比べるんだったら「スタイル」で分けたいと思い、こんなラインナップにしてみました!
ビールには「スタイル」と呼ばれる、作られ方によって様々なビールの種類があります。その中でも特に代表的な6種類のビールをピックアップし、電子レンジを使ってホットビールにして飲み比べをしていきたいと思います。
今回のホットビールは、「メイプルシロップ・シナモン・クローブ・スターアニス」を使用して飲み比べています。さて、どのビールが一番ホットビールと相性が良いのでしょうか?
調査前のイメージとしては、安定の黒ビール(スタウト)が一番美味しいのではないかと予想されます。ホワイトビールもオレンジピールやバナナ系の爽やかな味がホットビールに合うのではないかと思いますし、トラピストビールのもつハーブやスパイスの香りも、ホットビールに合うのではないかと予想しています。
日本を代表するピルスナースタイルのビールといえば、アサヒスーパードライではないでしょうか?というわけで、誠に勝手ながらスーパードライに日本代表を背負っていただき、ついでにピルスナー代表も背負っていただきましょう。
ちなみに予想ですが、ピルスナーというビールはもともと、衛生的に飲める水がないからという理由で作られたビール。喉が乾いたときにゴクゴク飲める味を目指してますから、温めるのとは相性が悪いのでは?と思ってますが、実際はどうでしょうか?
ああなんか、可能性をすごく感じる味だ!ビールのホップの香りと、クローブやシナモン、そしてスターアニスの香りが素晴らしいけど、なんかこう・・・足りない・・・圧倒的に足りない!そう、全体的にコクみたいなのが足りない感じなのではないか? |
匂いのわりに、味が薄すぎる気がしますね。良い匂いなのですが強すぎますし、味そのものは悪くありませんが薄すぎて、バランスが悪い感じですね。飲めなくはないと思いますが、完成された味とはお世辞にもいえない感じです。 |
さてさて、先ほどのピルスナーが水を目指したビールなら、ペールエールはワインを目指したビール。地域的に気候が寒すぎてブドウが育たないため、麦を使ってワインを作ったのが始まりとされています。
日本でペールエールというスタイルを流行らせたブランドといえば、ヤッホーブルーイングのよなよなエールではないでしょうか?ってことで、勝手にペールエール代表という責任を背負わせたいと思います。
飲む前の予想としては、結構相性が良いんじゃないかな?と思います。そもそもホットビールの本場であるドイツやベルギーでは、ピルスナーよりペールエールの方が一般的だと聞いてますし、正月とかおせち料理をつまみながら「もういっぱいつけてよ!」とドイツの親父たちはホットペールエールを飲んでるんじゃないかと思います。
さて、お味のほどはいかに?
匂いの段階で、かなりペールエールが感られる・・・。一口目を飲んだ感想としては、違和感の塊なのですが、寒い冬の日に暖かいビールっていうなら結構ありかも。スパイスやハーブの香りが苦手な人はきついと思いますが、これはこれで結構アリな気がします。 |
ペールエール感はあるけど、苦味が増してる気がして、ちょっとイマイチな感じですね。うーん、やっぱりビールは冷たいものっていう先入観なのかな?なんか、ハーブ臭の強い苦い炭酸湯っていう感じです。個人的にはナシ!です。 |
ビールの中でも「苦味」を強調させたIPA(インディア・ペール・エール)。その昔、ビールを輸出した際の長い船旅に耐えられるよう、ホップを過剰なほどに入れまくって作ったのがこのビールの原型と言われています。それゆえに、ホップの持つグレープフルーツのような爽やかな香りが強烈にくる味わいなのが特徴です。
そんなIPAの特徴をさらに突出させて、通常の40倍のホップを放り込んだことで一躍IPAというビールを人気スタイルに押し上げたのが、このブリュードッグのパンクIPA。というわけで、パンクIPAにはIPA代表という肩書きを背負わせたいと思います。
すごい苦味の強いビールなんで、ホットビールとは相性悪いんじゃないかな〜って思っていますが、お味のほどはいかに!?
猛烈なホップの匂いが加熱によって揮発してガツン!ってきますね。ホップの香りにシナモンやクローブの匂いが霞んじゃいますし、メイプルシロップの甘みもないため「苦くて爽やかな熱い飲み物」になっていて脳みそがちょっとパニックです。 |
飲めなくはない味ですけど、絶対冷たい方が美味しい味だと思います。「体があったまるな〜」っていうのは良い感じですけど、夜家に帰って飲もうとは思わないかなぁと。これならアサヒスーパードライを使ったホットビールの方が個人的には好きです。 |
ある意味大本命と言える黒ビール。黒ビールには上面発酵のスタウトと下面発酵のシュヴァルツがありますが、ペールエール系(上面)がホットビールに合いやすいということは、まさにスタウトは大本命。
スタウトビールといえば?誰もがご存知「ギネス」が代表に相応しいでしょう。さて、早速味見してみたいと思います!
あーもう匂い見た目共に100点!味も最高!コレコレコレコレ!これを片手に冬の寒い街を散歩したい!これすごい美味しい、これぞ「冬に美味しいビールの飲み方」って感じですね。よかった・・・ホットビールって全部イマイチなんですけど・・・みたいな結果になるんじゃないかと心配してましたが、これは本当にお店で売ってれば注文しますね。確実に。 |
さっきと一緒の量のメイプルシロップなのに甘みを強く感じる。これ美味しいですね、今までがイマイチだったから美味しく感じるんですかね?いやでも、これ美味しいですよ。お店にあったら注文しちゃいます。テラス席みたいなところで立ち飲みするにも向いてそう! |
ビールは苦手だけど、ホワイトビールは飲める!っていう人が急増中。日本ではおそらく、ヤッホーブルーイングの「水曜日のネコ」というビールが最も定番だと思いますが、個人的に白ビール代表に抜擢したいのは、ヒューガルデンホワイトです。なんせ、世界のホワイトビール流通量1位ですから!
そもそも原料に小麦を使っているという時点で、他のスタイルのビールとは一線を画す存在ですが、ホワイトビールの中での「ベルジャン・
さて、お味のほどは?
これも、ギネスのスタウトに勝るとも劣らない美味しさ!コクや濃厚さという面では負けてますが、優しくてあっさりとした味わいと、メイプルシロップやシナモンの相性が良くて、すごく美味しいですね!ピルスナーやペールエールよりもホットビールに合うと思います。なんなら、オレンジピールとかドライフルーツとか追加したいくらいです。 |
これも美味しいですね!ホワイトビール特有のオレンジピールの風味が、ホットビールの「暖かくて優しい」感じとマッチしてて、なんだか心が落ち着く感じですね。一人でしっぽりと飲むときはギネスのホットビール、みんなで楽しく冬の街を散歩するならホワイトビールって感じでしょうか?僕はこれ、好きです! |
個人的大穴「トラピストビール」。聞きなれないビールの種類かもしれませんが、トラピストという名前の通り、修道院で作られているビールのこと。
一般的なビールと違ってハーブやスパイスがたくさん使用されており、ビールだと思って飲むと「全く違う飲み物なんじゃないか?」と驚かされるほどに個性的な味わいが魅力のスタイルです。
さて、そんなトラピストビールといえば、そのルーツとも言えるのが現在のシメイ (ベルギー)にあるスクールモン修道院。ってことは、トラピストビール代表を背負ってもらうにはシメイが最も適切ですよね!シメイの定番とも言えるレッドを使って、ホットビールを作ってみたいと思います。
ホットビールと相性良さそうな気がするんですけど・・・どうでしょうか?
匂いがキツイですな。複雑すぎる香りとアルコールのツンとくる感じが混ざって、今までのホットビールの中では一番ニオイが苦手な感じです。でも、味は悪くないです。ギネスやヒューガルデンほどではないですけど、味だけならスーパードライより美味しいと思います。ニオイも、スパイスやハーブの強い香りが得意なら、意外とクセになるのかもしれませんね! |
僕、この味は全然イケますよ!むしろ美味しいと思います。ニオイは勇太さんと同じで苦手ですね、なんかイエーガーマイスターみたいな風味がします。ホットビールに入れたアニスが仕事しすぎてるのかもしれませんね?でも、結構面白い味ですねこれ。 |
最も美味しいのはギネスのスタウトを使ったホットビール。これはこのままで非常に完成された味だと思います。
僅差で2位なのがヒューガルデンのホワイトビール。本当に僅差、日によっては1位でも良いくらい美味しいです。ドライフルーツとかを入れたりアレンジにも耐えられそうなのが面白い点。
3位はバランスの取れているアサヒスーパードライだと思います。最初に飲んだホットビールがこれだったので、何か足りないような感じがしましたが、結局これに何かを足して調節していくというスタイルで間違いなさそうです。
4位はシメイのレッド。これはこれで美味しいのですが、かなり人を選ぶ味だと思いますし、どうやって味を微調整したら美味しくなるのか、僕くらいの凡人では正直わかりませんでした。
5位はペールエールのよなよなエール。最下位はブリュードッグのパンクIPA。キンキンに冷やしたビールなら、個人的には最も好きなのがパンクIPAなんですけどね。やはり、ホットビールとなると大幅に味が変わるようです。
こちらからは以上です。