「キングスマン」という映画をご存知だろうか?ジェームズボンドを筆頭に人気のあるハードボイルドなスパイ映画の系譜と言って過言ではない大変面白い映画なのだが、今回は映画のレビューや評価を伝えたいわけではない。
主役のエグジーを演じるイケメン「タロン・エガートン」が幼少期住んでいた場所が衝撃的なのだ。その名も「スランヴァイルプールグウインゲルゴウゲールウクウィールンドロブウリスランダスイハオゴゴゴッ」である。ゴゴゴッってなんだゴゴゴッて。っていうか、この地名長すぎやしないだろうか?
しかもタロン・エガートン。このスランヴァイルプールグウインゲルゴウゲールウクウィールンドロブウリスランダスイハオゴゴゴッにある小学校に通っていたらしい。スランヴァイルプールグウインゲルゴウゲールウクウィールンドロブウリスランダスイハオゴゴゴッ小学校だろうか・・・・・ってことは校歌とかも歌っていたのだろうか?
「♪ああ〜我らが〜スランヴァイルプールグウインゲルゴウゲールウクウィールンドロブウリスランダスイハオゴゴゴッ小学校〜」
とかだろうか。想像するだけでゾッとする。やはり、寿限無寿限無五劫の擦り切れではないが、長すぎる名前というのは問題ではないかと思ってしまうのである。
さて、さらにここで気になる事がもう一つ発生してしまった。どうやらこの、タロン・エガートンが幼少期に過ごしたスランヴァイルプールグウインゲルゴウゲールウクウィールンドロブウリスランダスイハオゴゴゴッという地名、世界で二番目に長い地名らしい。
嘘だろ!?
と思うかもしれないが、この地名が58文字なら、世界一長い地名は92文字もあるのだ。僅差で勝利とかではない、圧倒的な差があるのだ。これは・・・調べなければ!と思い立ったわけである。
ついでに日本で一番長い地名も調べてみました。
スリランカの首都「スリジャヤワルダナプラコッテ」を長い地名だと思っている人は度肝を抜かれると思います。
そもそも「地名」というものが何を指しているのかが曖昧なため、真偽不明の情報となってしまうが、インターネット上で「最も長い日本の地名」として一般的に言われているのが、愛知県の海部郡にあるこの地名である。
「愛知県 海部郡 飛島村 大字飛島新田 字竹ノ郷 ヨタレ南ノ割」
しかし、2015年2月23日に周囲の「竹之郷1〜8丁目」に編入されたため、この地名は消滅してしまっています。
僕は名古屋市生まれの人間であり、夏になると親父と海部郡の飛島村にあるプールによく行っていた記憶があるため、こんな場所にこんな地名があったのかと思わされました。現在ではこの地名が消滅してしまっているというのは悔やまれる、行っておけばよかった・・・。
さて、日本で一番長い地名が現地における表記方法で25文字というのは先ほどご紹介しましたが、世界に目を向けてみるととんでもない長さのツワモノ達がゴロゴロしています。
まずは、現地での表記と文字数だけ見てみましょう。
長いのは解りましたけど、まったく読めませんね。
どこの国なのかも全然イメージできません。「くぁwせdrftgyふじこlp」みたいにキーボードを適当に叩いたかのような文字列です。
さて、この暗号達を解読していきましょう。
堂々の1位に輝いたのは、ニュージーランド・ホークス・ベイ地方南部にある高さ305mの丘の名前です。
「タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアポカイフェヌアキタナタフ」または、「タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアトゥリプカカピキマウンガホロヌクポカイフェヌアキタナタフ」という、途中で読むのを諦めるほどクソ長いこの地名。
マオリ語では「Tetaumatawhakatangihangakoauaotamateaure
haeaturipukapihimaungahoronukupokaiwhenuaakitanarahu」と書かれるようですが、この全92文字は世界一長い地名としてギネスブックに記載されているそうです。長い!長すぎる!
じゃあ、現地の人は落語のジュゲムのように困っているのかというと、どうやら「タウマタ(Taumata)」って略している様子。そうですよね!
僕「友達が事故ったんですけど」
救急隊「場所はどこですか?」
僕「えっと、タウマタファカタンギ・・・・」
とかやってるうちに死にますからね。
ちなみに意味は「山のそばで、大きな膝を持つ山登り男が自分の恋する人に対して鼻歌を歌った場所」だとか。もうこうなっちゃうと、地名ってよりはポエムですね。
さてさて、第2位に輝いたのは、記事の冒頭でもご紹介した映画「キングスマン」の主役を演じたタロン・エガートンが幼少期に過ごした場所。イギリス・ウェールズ北部のアングルシー島にある村の名前です。
「スランヴァイルプールグウインゲルゴウゲールウクウィールンドロブウリスランダスイハオゴゴゴッ(ウェールズ語にするとLlanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch)」という言葉はなんと「一語」の言葉なんだそうで、世界で最も長い一語の地名だと言われています。ちなみにこの地域にあるスランヴァイルプールグウインゲルゴウゲールウクウィールンドロブウリスランダスイハオゴゴゴッ駅は、世界で最も長い駅名なんだとか。
この地域のもちろん、落語のジュゲム状態を回避するためか知りませんが「スランヴァイル」や「スランヴァイル P.G.」として会話の中で略称が使われているそうです。
なんでこんな長い名前になったのか?というと、19世紀末に観光客誘致のため、この土地を解りやすくしようと「赤い洞窟の聖ティシリオ教会のそばの激しい渦巻きの近くの白いハシバミの森の泉のほとりにある聖マリア教会」という意味でこの長ったらしい名前になったようです。
場所の質感ではなく、名前の長さである意味観光客誘致には成功してそうですけど・・・。
第3位はなんと、アメリカ合衆国マサチューセッツ州のウェブスターの東部に存在する湖の名前です。昔、TV番組「トリビアの泉」でも紹介されたことがあるので、以外と知っている人が多いかもしれません。
その名も「チャーゴグガゴグマンチャウグガゴグチャウバナガンガマウグ(Chargoggagoggmanchauggagoggchaubunagungamaugg) 」
ただこれ、一応「非公式の名称」なんだそうで、この地域に住んでいるインディアンのニプマク族などの部族が読んでいる名前なんだとか。しかも、あまりに長すぎてスペルが一定しておらず、湖畔にある公式の看板ですらスペルみすが何個か発生しているほど・・・。
この湖のあるウェブスター周辺に住んでいる住人達は、この名称が発音できないこともあって、単にウェブスター湖(Webster Lake)と呼んでおり、正式名称としては「チャウバナガンガマウグ湖(Lake Chaubunagungamaug)」というそうです。
続いて、第4位は南アフリカ北西部の州にある地名。農場のことらしいですけど、ちょっとアフリカ人を連れてこないと詳しいことはよく解りません。
その名も「Tweebuffelsmeteenskootmorsdoodgeskietfontein」
ウィキペディアなどにも日本語化されている情報がないため、固定化されたカタカナでの表記がありませんが「トゥーイー・ブッフェルス・メッティーン・スクートゥ・モルスドゥートゥ・ヘスキエット・フォンテイン」って感じの発音です。
どうやら意味は「2頭のバッファローが1撃の銃弾で仕留められた場所」というちょっと物騒な感じ。しかもこの地名、南アフリカの民謡のタイトルとしても使われています。
日本でいう所の「あんたがたどこさ」みたいな感じでしょうか?
1位〜3位までを見てきた人ならもう感づいているかもしれませんが、この地名も南アフリカが公的に発行している地図だと「2頭のバッファロー」という略称が使われているそうです。しかも今回のは、長すぎるからっていうよりも意味が物騒だから?なのかもしれません。ちょっと残念です。
ヨーロッパで一番長い地名は第2位で紹介した「スランヴァイルプールグウインゲルゴウゲールウクウィールンドロブウリスランダスイハオゴゴゴッ」ですが、5位に登場するのはヨーロッパで第2位の長さを誇る地名「アテリツィプテリツィプオリラウタツィヤンカ(フィンランド語: Äteritsiputeritsipuolilautatsijänkä)」です。
どうやらこの「アテリツィプテリツィプオリラウタツィヤンカ」という地名、何が語源になったのかはよくわかっておらず、jänkä、lauta、puoliという単語は、フィンランド語でそれぞれ泥炭地、板、半分という意味を持つようですが、それ以外の単語は少なくともフィンランド語においてはなんの意味もなしていないようです。
さてさて、長い地名第3位に続いて、第6位も湖の名前です。
カナダのマニトバ州にある「ペックワックナメイコスクワスクウェイピンウェイック湖(Pekwachnamaykoskwaskwaypinwanik)」というこの湖、カナダ原住民の言語の一つである「クリー語」という言葉で発音される地名だそうで「釣り針を使った釣りで野生のマスが採れた場所」というのを一語で表してるそうです。
これが一語なのかよ!
っていうのは、原住民の言葉あるあるかもしれません。っていうか、長い地名を調べると原住民の出番が多いこと多いこと。原住民ってのは長い言葉が好きなんでしょうかね?言葉を長くしないと特定の現象を限定できなかったのかもしれませんが・・・。
世界長い地名旅行、お次はインドです!
インドでの日本書紀や古事記のような歴史的な書物といえば「マハーバーラタ」や「ラーマーヤナ」ですが、その中にも登場する歴史ある土地がこの世界で7番目に長い地名の「Venkatanarasimharajuvaripeta(発音は知りません)」。
アンドラプラデシュ州とタミルナドゥ州の境目に位置する駅の名前だそうで、名前の前に「Sri」がつくこともあるため28~31文字で表記されるんだそうです。
さて、8位に登場したのは南アフリカの農場です。第4位で登場した南アフリカの長い地名も農場でしたが、南アフリカの農場たちは長い名前をつけるのが主流なんでしょうか?
第8位に輝いた農場の名前は「Bovenendvankeelafsnysleegte(ヴォヴェナン・ヴェンキラフ・スナイスリー・ティ)」
標高923mという高度に横たわる、南アフリカは北ケープのアッパーカールに位置する農場の名前であり、「喉の谷の上端」という意味だそうです。どういう意味なんでしょうか?
先ほど第4位で登場した「2頭のバッファローが1撃の銃弾で仕留められた場所」という名前の地名もなかなかインパクトがありましたが、第9位に登場するオーストラリアの「悪魔がおしっこする場所」という意味をもつ最も長い地名も衝撃的です。
その名も「ママングカッカムプランカントジャンヤ(Mamungkukumpurangkuntjunya)」。南オーストラリアにある丘の名前で、正式名称はMamungkukumpurangkuntjunya Hillになります。
どうやらオーストラリアって、イギリスだとかスコットランドやアイルランドなどのスペルが混ざったり、先住民の中に移民者が多いため様々な国の言葉が混ざって難しいみたいですね。
今は無き、日本で最長と言われていた地名「愛知県 海部郡 飛島村 大字飛島新田 字竹ノ郷 ヨタレ南ノ割」の25文字と並ぶ長い地名がオランダからランクイン!
その名も「ガッセルテルブールフェーンスヘモント(Gasselterboerveenschemond)」。
オランダ北東部のドレンテ州にあるこの町の名前であり、面白いことにこの場所から数キロ離れたところに24文字の「ガッセルテルネイフェーンスヘモント(Gasselternijveenschemond)」という地域があります。すごいですね。
ちなみに、ガッセルテルブールフェーンスヘモントの人口は約40人だと言われています。
今回ご紹介した長い地名ランキングは、あくまで地図上であったり、現地における看板などの表記で一般的に普及している地名たちをご紹介してきました。
しかし、地図上での表記や現地の看板等で使用されている名前でなく、正式名称(厳密には儀式的正式名称)を含めた場合、タイの首都であるバンコクの正式名称の長さたるや、半端なものではありません。
その文字数、なんと「169文字」。
いや、タイ語の文字数の数え方がよくわからないので、単純な文字の数だけですけど。まあ、絶対読めないと思いますけど一応表記しておきますね。
「กรุงเทพมหานคร อมรรัตนโกสินทร์ มหินทรายุธยา มหาดิลกภพ นพรัตน์ราชธานีบุรีรมย์ อุดมราชนิเวศน์มหาสถาน อมรพิมานอวตารสถิต สักกะทัตติยวิษณุกรรมประสิทธิ์」
読み方としてはこんな感じです。
「クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」
意味は「イン神(インドラ、帝釈天)がウィッサヌカム神(ヴィシュヴァカルマン神)に命じてお作りになった、神が権化としてお住みになる、多くの大宮殿を持ち、九宝のように楽しい王の都、最高・偉大な地、イン神の戦争のない平和な、イン神の不滅の宝石のような、偉大な天使の都。」だそうです。
長すぎですね!